クリエイト礼文が飲食施設
JR山形駅東口近くの駅前公園に7月、パークPFI(公募設置管理制度)を活用した飲食施設がオープンする。山形市が公園を住宅・不動産業のクリエイト礼文(山形市)に賃借し、そこであがる収益を公園の維持管理に充てる仕組みで、駅前のにぎわい創出につなげるのが狙い。県内で本格的なパークPFIが導入されるのは初めて。
施設の名称は「KASUMI・TERRACE(カスミテラス)」で、建物は1階建てのシンプルで洗練されたデザイン。ホール面積は約63平方メートルで、昼はこだわりのコーヒーや地元食材を使った軽食を提供する「カフェ」として営業、夜はアルコールや飲食が楽しめる「ダイニング&バー」として営業する。屋外にはテラス席も設け、公園内にあるシンボルツリーやベンチと一体になった施設を目指す。
駅前公園周辺は公共交通機関の要であると同時に、宿泊施設や飲食店街が集まる市を代表する商業地。市では同公園を駅前のにぎわい創出の拠点と位置づけ、2020年からパークPFIを活用した整備を計画していた。
クリエイト礼文が事業者に選定されたのは23年で、24年11月から施設建設を進めている。同社の大場友和社長は「地域住民や観光客らが気軽に立ち寄れる交流拠点を目指す。将来的には周辺をスペインの美食の街、サンセバスチャンのようにするのが目標」と話している。
市によれば、県内でパークPFIを活用したのは20年に山形市五日町の「ひばり公園」で自動販売機を設置した事例だけで、本格的な導入は今回が初めてという。
●パークPFI
自治体が民間業者に公園を賃借し、飲食店や売店の収益を公園の修繕や維持管理に充てる仕組み。自治体は財政負担が軽減し、民間業者は長期的視野で投資できるメリットがある。2017年の都市公園法改正で創設された制度で、国土交通省によれば24年3月末時点で全国165カ所で導入されている。