たよりNo54 平成29年1月15日発行
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Energy conservation 今まさに地球温暖化対策は次へと繋がる大きな節目を迎えています。 世界では、平成28年11月4日に第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で採択された「パリ協定」が発足しました。 日本は、2030年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度と比較し26%削減すると目標を立てました。この目標を達成するため、特に民生部門では、年々増え続ける家庭から排出される温室効果ガスの削減を急ぎ行う必要があります。 家庭でのエネルギー消費量を削減するには、山形県のような寒冷地の場合、住宅の省エネ化を推進し冬期間の暖房使用量を減らすことがもっとも効果が大きいです。そのため、私たちは、産官学が共同し山形県における住宅の温暖化対策に関する普及・啓発や情報の収集・発信をするため、平成20年7月に「住まいの温暖化対策やまがた協議会」を設立しました。活動として、一般県民向けに基礎講座の開催や断熱リフォーム診断の実施、ホームページでの情報発信を行っています。 その一環として平成19年度より、年1回、県内の工務店、設計事務所等を対象に「山形県の住宅における省エネ対策等の現状に関する調査」を実施しています。県内でのエコ住宅、エコリフォームの普及促進のためには、現在の最新の状況を把握し、省エネ住宅の普及に向けた政策に生かしていく必要があるためです。こういった調査は、国や県独自では実施していないため、情報がありませんでした。そのため、協議会設立当初から独自事業として実施し、現在も継続して調査を行っています。 使用している断熱材は、部位によって異なる種類のものを使用している事業所もあります。平成27年度調査では、壁と天井の断熱材では「グラスウール」が最も多く使用されており、床では「押出法ポリスチレンフォーム」が多く使用されています。また、壁のグラスウールでは、「高性能グラスウール、14K、100㎜」や「高性能グラスウール、16K、100㎜」で施工している事業所が多かったところです。(図1、2、3) また、住宅の中で一番熱が逃げるのが窓ですが、サッシの材質については「プラスチック製」または「木かプラ+金属の複合材料製」を使用している事業者が多い状況でした。これは2009年からの調査内容を図4にまとめて集計しています。なお、「金属製熱遮断構造」と「複合材料製」が減ってきて、「プラスチック製」のサッシを使用する事業者が増えています。代表理事省エネの現状とこれから特集E住まいの温暖化対策やまがた協議会(東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科教授)三 浦 秀 一事 務 局(特定非営利活動法人 環境ネットやまがた)二藤部 真澄省エネ住宅の必要性と現状について図1 断熱材の種類(壁)  N=42   グラスウールを使用した場合の内訳45% 33% 7% 7% 5% 3% HGW 40K 210 2% HGW 16K 200 4% HGW 16K 105 17% HGW 16K 100 31% HGW 16K 120 9% HGW 16K 90 4% HGW 14K 100 2% HGW 14K 85 8% HGW 10K 100 2% GW 24K 100 2% GW 16K 100 15% GW 16K 105 2% GW 16K 205 2% 5たより

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