たよりNo54 平成29年1月15日発行
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ご 挨 拶一般社団法人 山形県建築士事務所協会藤 原   薫会 長Compliments 明けましておめでとうございます。会長職に就任以来まだ半年の経過ですので、まだまだ方向性を模索しているところです。私はさほど器用ではありませんので、石山徳昭、斉藤勉両副会長とは情報を共有するとともに、仕事を分担いだだく協働体制を当初から理解いただき進めています。更に、理事の皆様には自らの考えで提案し、事業を進めていただきたいと考えています。より風通しのよい、多くの会員の方々の知恵が協会運営に生かせるように組織を作りたいというのが私の願いです。 昨年は1月から株価の急激な下落とともに円安も同時に始まり、暗雲が垂れこめる不安のスタートとなりました。4月には熊本地震の発生、数日の間に震度7の大地震が2度発生するという今までの常識を覆す現象が地震被害を広げ、建築界に大きな驚きを与えました。私自身構造設計の専門でありますので、東日本大震災時の3連続大地震という現象の発生に続き驚きを隠せません。日本建築学会としても新たな難しい課題が自然界から突き付けられました。 2020年に開催される東京オリンピックについては当初からエンブレム問題、設計者選定問題とつまづき、9月には小池新都知事による競技開催地変更や財源削減問題が持ち上がり、成功を祈る国民の気持ちはすっきりしない状況におかれています。私にとって設計を目指すきっかけとなった前回の東京オリンピックと同じように国民に、特に子供や若い人たちに大きな希望をもたらすことを強く願っています。 会長就任当時に三つの課題を掲げましたが、その中でも若手設計者の育成が一番の課題だと考えています。地方の建物や街のあり方を真剣に考える若い人材が不可欠です。山形には優秀で力のある設計者は少なくありませんし、東北芸工大だけでなく正規の建築学科と同等となった山形大学との連携は今後とても重要なものとなります。各設計事務所単位での努力は勿論必要ですが、人材の確保そして育成・支援という点では当会がより効果的に対応できる可能性があります。若い設計者たちが熟練設計者から技術と知識を継承し、住みやすい街づくりを進め社会貢献できる素地をつくりたいと考えます。世界ではイギリスのEU離脱、米大統領選ではトランプ氏勝利など若い人々が望む方向とは反対の保護主義的な結果となっており、各国の内向き姿勢が懸念されていますが、私たちは常に若い人々に夢と希望を与える責任があることを忘れてはいけません。 最後に今年こそ明るい年になることを願って、そして会員の皆様、賛助会員の皆様のご発展とご健勝を祈念して、年頭の挨拶といたします。2たより

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