たよりNo54 平成29年1月15日発行
28/58

 この度は、会誌 『 たよりNo54号 』掲載原稿の依頼を頂き、誠に光栄に存じますと共に深く感謝を申し上げます。 さて、私は、現在 建築物の構造設計、構造に関わる工事監理、並びに民間確認検査機関で「構造計算適合性判定」の審査を担当する業務等を行っておりますが、冒頭に、構造設計を目指した経緯について、少し触れますと、以前、実家が重量鉄骨加工業(ファブリケーター)を営んでおり、建築については小さい頃から興味を抱いておりました。その後、建築系の大学に進学した頃は、建築家に憧れた時期もありましたが、構造の先生から『 構造設計は地道にさえ学べば何とかなる分野である 』と教わり、父の企業を継ぐ時にも役立つのでは?と思い、構造系の研究室に所属したことが構造設計を始めるきっかけとなりました。 やがて平成2年春の卒業後、山形へ帰り幸いにも山形市内の平吹武建築設計事務所へ入社することができ、構造担当としてお世話になりました。その後、18年間の月日を経て会社を退社することになり、その先は自分で仕事を始めましたが、ふと気が付くと9年近くの歳月が流れていました。この仕事で、正直な所、何度か挫折しかけたこともありましたが、その時に支えて下さった方々の一つが、同業者の集団である『 山形構造設計研究会 』でした。 当時、構造上の悩みを抱えていた頃、大先輩であるベテランの方々から多岐に渡り的確なアドバイスを頂き、何度も助けて頂きました。そのようなこともあって現在に至っているのだと有難く思っています。 ここで、山形構造設計研究会について少しだけ紹介をしますと、今から33年前に、初代会長を10年間務められた 故 高橋 邦雄 様を中心に、当初は会員十数名で発足した会ですが、現在では更なる飛躍を遂げ会員数は山形県内外を含め七十数名を数える会に成長をしました。会の活動は、毎年6回の研修会をこの33年間、一度も休むことなく開催し、今年の2月で第193回 例会 を数えることになりました。ここ数年間の活動内容の幾つかを例に挙げますと ・ 会員同士による 建築技術などをテーマとしたフリーディスカッション。 ・ 構造技術者等による講師を招いての研修会。  ・ 各構造関連団体( 山形県鉄構工業組合さん、山形県鉄筋工事業組合さんなど )との 合同勉強会。  ・ 建築構造家である 構造設計集団・SDG 代表 渡辺 邦夫 氏を講師として『 渡辺 邦夫 日曜学校 in   山形 』 全12回 講座(平成25年から平成26年 )を開講。 このような素晴らしい会が有ったお蔭で、私の心の支えとなり現在この仕事を続けて来られたのだと痛感し、心より感謝をしております。 最後になりますが、今から9年前に構造設計一級建築士制度が創設され、現在において構造設計者は、社会的にも大きな責任を負うような時代に変化をしました。その為、構造設計者として、日々、弛まぬ努力を惜しまず、職能研鑽プログラムへの参加や、常に「知見の涵養と蓄積」による設計を取組みながら、これからも構造上、並びに経済的にも優れた構造設計を行えるよう努めて行きたいと思います。冨樫設計室【山形地区】冨 樫   弘私を支えてくれた『 山形構造設計研究会 』会員たよりTalking about you...26たより

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る