たよりNo54 平成29年1月15日発行
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 昨年の耐震判定委員会は、午前10時に始まり、午後2時には終了する事が、多くなりました。判定委員会が月2回あった頃は、2日目が朝9時に始まります。月3回、4回開催した事もありました。ワーキング委員の出席者数も今は3、4名で先生方を含め7名程度です。 判定審査時間も前より短縮されたような気がします。10名以上で判定審査をしていた時期はいろんな方から様々な意見が出され、にぎわいがありました。現在は判定委員の先生より指摘事項が出され、ワーキングが一言、二言意見を言う程度です。 と言って審査がゆるくなった訳ではありません。慣れてきたので、要点を的確に伝えているように感じます。今でも時々1時間30分近く審査を要する物件がいくつかあります。1つは大型物件、もう一つは判定に苦慮する難解な物件、工学的に難解な物件は始めから時間を多く確保するので別の問題です。このような物件は診断者の説明に多くの時間を要する為です。難解な物件とは、依頼者と診断者と判定委員の意見の相違をどこに収めるか、の落とし所を先生方が探している時です。 山形の判定委員の先生は優しいので色々と悩まれます。判定委員の先生の意見を全面に出し診断者に伝えるのは簡単ですが、診断者の事、依頼者の事等を考えられ、判断に手間取る場合があります。判定委員会の先生方は大地震に、この建物が襲われた場合、どこがどのように壊れるか、分かっています。その上で、ぎりぎりの判断をしている様です。 又、判定委員の先生方は大地震が起きた時、建物の中に居る人が建物の崩壊前に非難可能か、備品等で怪我などする事が無いか、等も心配しています。特に今回、山形県より依頼された活断層付近の建物については、他の場所より振幅が大きくなる事、活断層上では上下、水平の地盤のズレを伴う為、建物が崩壊する時の非難が重要な問題になります。 昨年末現在本年度の判定依頼物件は38件、当初から分かっていたことですが、何れ判定委員会は解散する運命です。思った以上に永く続いていると感じています。耐震判定委員会㈱ 斎藤構造室【山形地区】斎 藤 丈 延委員会報告委 員23たより

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