東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 2 ―東北地域の持続的な発展、競争力の強化に向けて東北経済産業局長 田 川 和 幸新年度所感平素より、経済産業行政に対し御理解と格別の御支援を賜り厚く御礼申しあげます。さて、我が国経済は、設備投資の持ち直しの動きに足踏みがみられるなど、一部に改善の遅れもみられるものの、個人消費の持ち直しや公共投資の底堅い動きがみられるなど、緩やかな回復基調にあります。また、東北地域においても復興需要の下支えのもとで同様の動きとなっており、緩やかな持ち直し傾向が続いています。政府としては、着実に成果が生まれているアベノミクスを一層加速させ、デフレからの完全な脱却と持続的な経済成長の実現を目指す「未来への投資」を進めております。東北経済産業局では、昨年6月に、「東北経済産業局中期政策(2016年度~2018年度)」を策定しました。多様化・複雑化する地域の課題に対応し、東北地域の持続的発展を実現するため、この中期政策の柱となる次の5つの重点分野について取り組んでまいります。第一に、復興の加速と自立的発展への道筋づくりを推進します。東日本大震災から6年が経過し、関係者のたゆまぬ努力によって、被災地域の復旧・復興は進展してきております。この復興のさらなる加速化のためには、津波被災地域の基幹産業である水産加工業等の一層の業績回復や交流人口の拡大が必要です。このような中、昨年3月に「三陸地域水産加工業等振興推進協議会」を設置しました。本協議会では、三陸ブランドの価値向上に向けたビジョンの検討や広域連携による海外展開の取組等を推進してまいります。また、交流人口の拡大や風評被害の払拭に向けた復興ツーリズムの推進にも引き続き取り組んでまいります。これまでの被災中小企業グループの復旧事業支援や、津波・原子力災害被災地域への企業立地支援等も継続して推進し地域経済の再生を支援するとともに、イノベーション・コースト構想等を通じて福島県浜通りの再生に取り組んでまいります。昨年の台風10号による被害の復旧についても、平成28年度2次補正予算事業等を通じ支援してまいります。第二に、ものづくり・情報技術を活かした産業の高度化を推進します。IoTやロボット等の革新技術を活用する第4次産業革命の実現に向けては、有望な成長市場の創出を図ることが重要となっております。IoTプロジェクト創出に向けた「地方版IoT推進ラボ」の選定や、地域課題の解決に向けたロボット導入促進のための「ローカルロボティクス」の推進などにより、地域におけるIoT等の活用促進に取り組みます。貴業界におかれましても、IoT・人工知能(AI)平成29年願い協調融和

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