東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 47 ―平成29年願い協調融和 東栄コンクリート工業株式会社  松 田 智 之新シリーズ④山形ラーメン紀行 あなたは“山形”と言われて、何を一番に想像しますか? 山形で誇れるもの、これがまたたくさんありまして、米、酒、蕎麦、果物等、おいしいものを挙げればきりがない山形名物。意外なところでは、「山形のラーメンはうまい!」との定評もあるようです。(決して私だけが言っている不確かな話ではありません・・・。) 山形県の場合、県でひとくくりにはしがたく、大別して、“村山”、“置賜”、“最上”“庄内”の4地域に分けられます。それぞれが独自の食文化のもとに地域の味がありどの味をもって「山形ラーメン」とは限定しがたい程、個性と主張にあふれています。 それでは、各地域の特徴を簡単にご紹介しましょう。 まずは、県都山形市を中心とする村山地方。ここは、全国でも有数の蕎麦処でもありますが、ラーメンを出す蕎麦屋さんが実に多く、注文の8割がラーメンという店もある程です。 皆さん不思議に思われるかもしれませんが、“蕎麦屋でラーメン”これこそが村山地方における山形ラーメンの特徴と言えましょう。また、最近では夏の定番になってきた冷やし中華と冷やしラーメン。冷やし中華の発祥の地が仙台なら、冷やしラーメン発祥の地が山形(栄屋本店)と言うのも、ラーメン好きの県民性を表しているものと言えます。 次に米沢市を中心とする置賜地方。ここも米沢牛と並んで有名なのが米沢ラーメン。 米沢ラーメンの特徴は、まずは手もみ製法による縮れ麺。そしてスープは、鶏ガラ・豚骨・煮干しなどを使いあっさりした醤油味。さらに水分をたっぷり含んだ中細麺、(専門用語で、「多加水」という方法で、小麦粉をこねて打つときに通常よりも多くの水を加えます。)にあります。この特徴がうまくミックスして独特の風味を醸し出しており、毎日食べても飽きのこないラーメンと言えましょう。あえて言えば、喜多方ラーメンに近い味かな?とも思います。 三つ目最上地方に代表されるのは、新庄市。ここの“とりもつラーメン”は、新庄ラーメンの代名詞になっている程で、この地域の標準的なラーメンです。 トリモツ煮とラーメンという意外な組み合わせに驚かれるかもしれませんが、もともと養鶏が盛んだった最上(新庄)地方においては、トリモツ煮も欠かせない一品で、独特の食文化から生まれた一品と言えるのではないでしょうか。あっさりとした醤油味にトリモツ煮のまったり感がコクとなって絶妙な味わいとなっており、最上地方に来県の際は、是非一回味わって欲しいものです。 最後にご紹介するのが、庄内地方。なかでも酒田ラーメンがその代表格と言えましょう。海に面した港町らしく、トビウオや鰹節、サバブシ、煮干し、昆布等、豊富な海鮮ダシを上手に使い、スープは魚介系

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