東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 1 ―平成29年願い相互信頼未来への投資ができる環境整備を東北コンクリート製品協会 会長 前 田 直 之新年度所感 東北コンクリート製品協会が発足して4年目を迎えます。「オール東北」を標榜して活動してまいりましたが、おかげさまで正会員40社・団体会員6団体(準会員22社)・賛助会員14社、計76社の会員を擁するまでに成長いたしました。これもひとえに関係各位の熱心なご指導と多大なるご協力のおかげと感謝申し上げます。 今年1月、恒例となりました(一社)コンクリートポール・パイル協会東北地区、全国ヒューム管協会東北支部との共催での新年賀詞交歓会を開催いたしましたところ、関係諸機関・団体・報道機関からのご来賓も含めて128名の方々にお集まりいただきました。参加者数が年々増加しておりますことは、コンクリート製品業界に対する内外からの期待の表れだと感じております。 その挨拶の席上、新年の宴には多少相応しくないかもしれない2つの問題提起をいたしました。1つ目は、外国人技能実習制度の改正に関する件です。昨年11月に同制度に関する法改正が国会で成立いたしました。現在の制度運用を厳格化して実習生の待遇改善を図ると同時に、優良な実習機関に対しては現在の3年の期限を5年に延長することも可能にするというものです。我々の業界にも多くの実習生が入っておりますが、その大半は建設業の中の鉄筋工や型枠工で採用されております。 我々の業界は、建設業界の一翼を担い、均一な品質の製品を安定的に供給する責務を果たしております。建設業である以上に製造業としての性格が色濃く出ております。携わる職種・作業も多岐にわたり、まさに多能工の典型といえます。したがって、前述の技能実習制度においても、鉄筋工や型枠工といった単一の作業ではなく、「コンクリート製品製造業」としての多能工の育成を通じて、送り出し国の経済発展の支えとなるべき人材確保に貢献すべきと考えます。そのため、新たな職種の追加に向けた旗振り役としての役割を東北の製品協会が積極的に果たしていきます。 そして2つ目は、復興特需が終わった後の業界の在り方についてです。プレキャスト化の進展によって、その減少の速度は緩和されるとしても、いずれ需要は震災前の水準へと近づいていきます。その時に現在の工場数を維持できるでしょうか。他方、従業員数の自然減の方が需要に見合う形で進むのかもしれません。しかし、このままでは個々の工場において設備の維持・更新に支障をきたすのは明らかです。将来に向けた設備投資、業界の宝でもある人材投資に貴重な資金を投入できる環境整備に向けて、皆で知恵を出し合っていくことが求められるものと思います。 我々が将来に残すべきは、過当競争によって荒廃した業界ではなく、この東北に安心・安全を確保するコンクリート製品はもちろんのこと、常に整備・更新された設備、そしてこの業界の未来を支えていく人材だと考えます。今年度がその未来に向けての第一歩となりますよう、皆様の一層のご支援をお願いして、新年度にあたっての所感といたします。

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