東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
35/76

― 31 ―今日走るという約束だった、アウトでもセーフでもどっちでもいい、走らなかったことに対して怒っているんだと言うと、生徒は納得します。ところが、セーフになったかアウトになったかで言われると走らなくなっちゃうんです。ですから、怒ることに対して基準を持って、テーマに対して怒る。例えば、今日、初球は振りなさいというルールを作ったら、とにかく振らないことに対してだけ怒る。ボール球を振ってしまってもぐっと我慢するんです。ルールなので。結果を叱るのではなくて、行為を叱る。生徒に一番教えなければいけないことって、ここだけだと思います。多くの人が侵す2つの間違い。他人や物のせいにすること。それから不平不満を言うこと。ここだけなんです。何か侵すと必ず他人のせいにして、言い訳することが先にくるんです。とにかくこのことだけは、人の成長を止めると言っています。なので絶対やめてくれと。成功者には共通点があるんだと、他人のせいにする成功者はいないということ。言い訳をする成功者もいないということ。わたしは、残念ながら、160キロ投げる投げ方なんかわかる訳ないんです。自分が投げた事ないのでですね。ほんとに彼らに残るものって、バットもグローブも80歳までもって生きるものじゃないんです。わたしは何の役にも立たないと言ってるんです、バットも。わたしを助けてくれたのは教員免許でした。いま、ユニホーム着てません。スーツでお金もらっています。ほとんど1%です。それにしても40歳までしかできないんです。足が速い、ボールが速い、だからどうしたのと言ってるんです。それよりも大事なのは考え方だと思います。オフになると朝0時間授業をやっていて、こんなことを説明しているんです。朝7時30分から8時20分まで、野球部員だけ、野球の話しではなく、考える知恵のことを話してます。感謝する成功者はいるけど、他人のせいにする成功者はいないと。将棋の羽生さん、いいこと言ってるんです。3流は人の話を聞かない、2流は人の話を聞く、1流は人の話を聞いて実行する、超1流は人の話を聞いて工夫すると言ってるんです。なるほどなあと思ったんです。やっぱり実行するだけではなくて工夫して自分のものにしていくことが大事なのかなというようなことを生徒に教えています。夢を実現するというほうの話に移ります。偉そうな話させてもらってますが、私はどうしようもない人間だったんです。うちの家系は教育一家でしたが、残念ながら、ご近所には悪い人しかいなかったんです。当時、ビー・バップ・ハイスクールというのが流行って、ボンタンとか短ランが流行っていた時代でした。兄も自分も番長の道に入っていったんです。間違った方向に行ったんですね。ほんとにひどい人生でした。ただ、リーダー性というのはあったんだと思います。ナイフに例えて話させてもらっているのですが、私、相当切れるナイフを持っていたんです。ナイフって間違って人に向ければ殺人の危険もありますが、木を切ったり、食べ物を切ったりすれば、人に命を与えるものになるんです。わたしはリーダーシップの使い方がわからなかったんです。間違った方向にナイフを使っていたんですね。そのとき恩師に出会ってそのナイフ、こっちに使えって置き換えてくれたんです。何をしたかというと、おまえ生徒会長やれって言い始めたんです。毎日先生家にきて説得が始まったんです。そのうち校長先生も来て、やることになったんですけど、やるとなったら意気に感じてやるタイプなので、生徒会長やりました。騙されました。わたしも、ボンタンとか短ラン着てたんです、生徒会長ってさっきの責任を与えるということなんですけど、自然と自分で脱いでいるんですね、生徒会長なのにボンタンとか短ラン履けるわけがないって。自転車でヘルメットかぶるなんてありえなかったのですが、自転車直してヘルメットかぶって歩くようになったら、佐々木がかぶったからみんながかぶるようになって。つまり先生は私の力も使いながら学校を平成29年願い相互信頼

元のページ  ../index.html#35

このブックを見る