東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 30 ―ハッとしたんです。それから、なんでこんなにきれいになるのかと思ったら、針金巻いているんですね。ということは、今、子供たち自主性とか言ってますけどある程度矯正してあげることも大事なんだなっていうことがわかったんです。将来価値のある木にするために、間違った方向に行かないように、ある程度矯正してあげることも必要なんだなと再認識したんです。全部が矯正ではいけないと思うんですけど、間違いなく矯正して導いてあげなくてはいけないということも学びました。人に与えなければならないこと4つあると思ってます。いい環境を与えてあげることです。それから責任を与えてあげること。私自身、ダメな男だったのですが、中学校の先生に責任を与えられて人生変わったんです。あとは夢を与えてあげることです。おまえ、こうなれるんだぞ、あーなれるんだぞと言ってあげることだと思います。それから愛情を与えてあげる。優しくすることだけが愛情ではないと思います。厳しさも愛情だと思うので、オリンピックのシンクロのコーチの方は厳しい指導で有名ですが、やっぱり叱るって大事だと思います。相当エネルギーが必要ですし、信頼関係もなければなりません。いま、ほめて伸ばすという本が出ていますが、これからり方の本が出てくると思ってます。人にかけてあげなければならないことも4つあると思います。やっぱり時間をかけなければだめです。それからいい言葉をかける。おまえできるぞと言われればですが、おまえなんなんだ、おまえになんかできるわけないじゃないかと言われたら、絶対に伸びないと思うんです。いい言葉をかけてあげる。それから期待をかけてあげる。おまえならこんな素晴らしいことができるぞと期待をかけてあげるとぐんぐん伸びていきます。それから、負荷をかけなければだめなんです。勉強もそうですが、全部負荷なんです。負荷をかけて人間って、ストレスで伸びていくんです。老人ホームなどもわざと階段を作ったりしてストレスをかけているところがあるらしいです。人間は、みんなに手をかけられると、機能を失っていくそうです。少しづつ負荷をかけてあげる。筋トレの法則と同じです。ただ、かけすぎると失敗します。ストレスでうつになったり、ウェイトでいうとけがをしてしまうんです。適度な負荷をかけてあげないといけないのですが、選手たちには、そもそもストレスでしか伸びていかないんだよということをあえて最初に教えておきます。指導者というのは、強烈な厳しさと壮大な優しさが同居するんじゃないかなとすごく思っています。叱り方にもこだわっていることがあって、人格ではなく、プレーを怒らなければだめだと思ってます。子供たちには怒られるのが仕事だと言ってるんです。ほめることしかなかったら学校へ来なくてもいいだろうと言ってます。君たちは怒られるのが仕事なんだから、怒られた後どうすかが大事だよと教えています。人格を叱るのではなくてプレーのことだけに対して叱る。許されるミスと許されないミスがあることを理解させること。監督は、今日、機嫌が悪いから怒ったということではなく、怒る基準があるということです。怒らているところにも基準があって、あなたのレベルはここだから、このことでも怒られるんだよと先に言っておくんです。例えば、盗塁ですが、練習試合をしていると、伸びるチームと伸びないチームがあるんです。走って、失敗したことに対して怒ると子供たちは二度と走らなくなるんです。バット振って、三振してもいいと言ってたくせに三振したらどこ見て振ってるんだと子供の時に教わるとバット振らなくなっちゃうんです。なので、基準を設けるんです。今日走りなさいと言ったら走る。アウトになったことは怒らないんです。ぐっとがまんして。怒るのは基準があるので怒鳴りつけます。走らなかったんです。走らなかったことに対して怒鳴りました。怒るもるもないです。テクニックはありません。とにかく怒鳴りました。特別講演平成29年願い共存共栄

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