東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
32/76

― 28 ―です。いろんなことが科学的にわかってきてピッチャーが育つようになって来たんじゃないかなと思っています。今日は他県なので秘密をお話ししたいと思います。ボールが速くなるかどうかにはいろいろメカニズムがあります。いま、ピッチャーはほとんど顔の前で投げています。ダルビッシュやマー君もセットで軽く投げています。実はですね、軽く投げるといいボールが行くんです。力を入れて投げるとボールはいかないんですが、みんな勘違いをして力を入れるとボールはいくんだと思ってるんです。我々今何をしているかというと、走れ走れって比較的走らないんです。柔軟性がしなりを生むんだということがわかってきたんです。これは、雄星の肩甲骨の動きなんですが、腕を後ろでつけると0になるんです。大谷は前でやるんです。前でも肩甲骨がぐっと動くんです。これはブリッジですが、胸のところにも関節があるんです。こういうところを動かさないで、ただベンチプレスで筋力をつけても腕はしならないんです。股関節もです、下半身を使って投げろと言っても、硬い子は投げれないんです。それなのに、なぜ使わないで投げてるんだと怒ってしまうのですが、原因があるんです。その原因に対してアプローチしていくということですね。あとは、企業も一緒なのかもしれませんが、数字で選手に見せていくと選手は納得してやるんです。怒られるからやるのではなく、いいピッチャーになりたいからやるというふうになってきます。やはり数字で示していくのも大事だと思います。雄星、大谷ばかりでなくて、普通の選手でも胸がペタッとつく状態になります。しなった状態が作れるということです。これは大谷ですね、高校1年生の時、60㎏ちょっとしかなかったのですが、いま100㎏です。高校でも体重が20㎏増えたんです。本人のブリッジしているところですが、このようにしなやかさが必要なんです。雄星のウェイトしているところですが、ピッチングの動作を取り入れながらやっています。ただ、スクワットしたからといってボールが速くなったり、ピッチングが良くなったりするわけではないんです。ボールを投げるとき、ランジという姿勢で投げるんです。このような動作でウェイトトレーニングをしています。今日、夢をかなえるという話なので、人を育てるというところで気づいたことを話したいと思います。プロ野球選手はドラフト1位は出さないほうが良いというのが、わたし今思っていることです。3位4位ぐらいが静かでいいと思ってます。1位で行ったときは大変な目にあいました。アメリカまで追いかけられて、ゴールドカードを渡すエイジェントが出てくるわ、東スポの1面に載ったことも、奥州市に家を建てたとか、ジャガーに乗っているとか、飲みにⅠ回行っても100回も行ってるとか、いろいろ書かれて嫌になって家に閉じこもりました。何に走ったかというと庭いじりにはまったんです。それから、盆栽もやっていま石をいじりはじめています。「おまえも止まったものを見始まったら終わった」といわれているんですが、いろんなことを庭をやっているときに気づいたんです。うちは農家なので財特別講演平成29年願い相互信頼

元のページ  ../index.html#32

このブックを見る