東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 26 ―特別講演言ってもらえる状況になったこと、評価していただけるようになったことはとてもうれしいことだと思っています。先日、ある球団から呼び出しがあって東京へ行きました。佐々木君ちょっと聞かせてくれということで、最近岩手県からいい選手がどんどん出てくるがなんでだと言われたんです。今年、楽天から育成一位で取ってもらって、昨年も広島に高橋樹也という選手を3位で取ってもらったんです。数年続けてプロに行っているからだと思うんですが、なんでだと聞くんです。うちは岩手県の選手しかとらないんです。県外からは取るなというのが学校の方針なんで、岩手県の選手だけで勝負しています。で、答えは2つしかないと言ったんです。一つは、今急に出てきたのではなくて、おそらく前にもいたと思います。昔も岩手県にはいい選手がいた、おそらく東北地区にもいい選手がいたにもかかわらずおそらくつぶしてたと話したんです。何が変わったかといいますと、一つは指導者が変わったということです。それから、選手の意識が変わってきたこと。目の前でドラフト1位で行く選手を見ていますので。わたくし、入試で面接をしているのですが、君の夢は何だと聞きますとプロ野球選手と何人も言います。大きな勘違いです。でも、いい勘違いではないかなと思っています。昔はプロ野球選手になるなんてとても言えなかったのですが、そういう環境が生徒の意識を変え、いま、いい選手が出てきたのではないかと思っています。雄星、大谷を育てたと言って自慢して講演したいところですが、残念ながら育てるところはなくてあの通り、どこにいてもプロ野球選手になるような素晴らしい選手たちです。いずれ岩手の野球が大きく変わってくれたのではないかと思っています。以前、甲子園の抽選会で岩手県を引くと相手高校が喜ぶという状況でした。わたくし、2005年に初めて出ましたが、やはり相手高校は笑っていました。常連高校でしたのでカメラが向くのがわかって、こらえて笑っていたんです。悔しくてですね、今に見とけよという思いでしたが、笑われてもしょうがありませんでした。13対5ぐらいで負けました。笑われても当然だなというようなことで、でも悔しいな、いつか見とけよと思ってました。こんな思いで、指導者をやりながら、迷走しながら、勝ったり負けたり、迷いながら指導しているところです。私は、物事、非常識に考えるようにしています。なぜかというと、あらゆる偉業を成し遂げた人たちは、ほとんど物事、非常識で考えついているんです。野球って昔からこうだったということで、感覚だけでやっているんです。試合前にノックするんですけど、7分間で決まっているんです。7分ってなんなんだろうとか、バッティングしてはだめなのかとか、そういう発想で物事変えるようにしてみたんです。たとえば、ノックするときサードからするんですね、ほとんどの指導者。なんでサードからノックするのかなといろんなことに疑問を持つようにしたんです。なぜかなーと分析していたのですが、昔、右バッターしかいなかったんです。それから、右のノッカーしかいなかったんです。今は左バッターが主流です。イチロー、松井見てください。右投げ左打ちしかいないんです。お父さんがちょっと野球していたら全員右投げ左打ちになって、いま、右バッター不足しているんです。プロに行きたいなら右バッター育てたほうが行きやすいです。いま、いいバッターは左バッターになっています。昔、ライパチ君といって、ライトが8番で一番下手なやつだったのですが、根底から覆さなければいけないんです。一番いい選手をライトに置かなければならなくなっています。一番長い距離投げているのがライトで、カバーも多いのがライトなんです。わたしは、ノックも非常識に考えてですね、一番大事なのはセカンドだと思っているんですね、セカンドが一番野球を知っていなければいけないと。そんなことで、セカンドからノックを始めることにしたんです。平成29年願い協調融和

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