東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 24 ―策を効果的かつ効率的に実施するため、ため池の放射性物質対策技術マニュアルを策定しています。この資料は、ため池対策の具体例になります。底質を掘削や浚渫で除去する工法や現位置において固化あるいは反転させる工法を紹介しています。次に、直轄災害事業国営請戸川地区の復旧状況について説明します。南相馬市の営農再開に向け平成26年4月から復旧工事に着手しています。受益面積3,500haのうち約2,000haが避難指示解除準備区域になっており、将来の農業用水を安定的に供給するためには、水源である大柿ダムの復旧が不可欠となっています。現在、大柿ダムと南相馬市側の用水路と頭首工の復旧を行っていますが、今後、直轄除染の進捗状況を踏まえて残りの施設の復旧を随時行っていく予定です。左の図が請戸川地区災害復旧状況の概要図で右の写真が大柿ダムの被災状況と復旧状況です。これは、大柿ダムの概要と請戸川地区の用水系統を示しています。この資料は、大柿ダム湖内の放射性セシウムの分布状況を図化したものでダム底に放射性セシウムが貯まっている状況を示しています。このグラフは、大柿ダムの流入水と流出水の放射性セシウムの検出状況になります。上2つのグラフは、流域からダム湖への流入水の状況を示しています。流入水の放射性セシウムは、台風等の増水時に検出されていますが、一番下のグラフに示すダムからの流出水には、放射性セシウムはほとんど検出されておりません。こちらのグラフは、放射性セシウム濃度と濁度の関係を示したもので、相関関係があることから濁度をリアルタイムに計測することによって放射性セシウム濃度を監視できると考えています。ダム湖が濁水状態となった場合、放流工のバルブ操作によって濁水の取水を回避するため、濁度をリアルタイムで把握できる遠方監視システムの設置工事を現在実施しています。また、ダム湖側だけ対策を行っても山腹沿いのオープン水路には放射性セシウムを含んだ落葉の流入があることから対策として蓋掛け工事を実施しています。最後になりますが、避難指示区域12市町村の営農再開に向けた取り組み状況を図化したものです。少しずつではありますが、営農が再開されてきております。避難指示区域以外のエリアからほ場整備が進み、避難指示区域内では帰還意向の少ない中、一部の帰還意向のある担い手に農地を大規模に集約したい気運が生じており、大区画のほ場整備が要望されています。現在、ほ場整備実施中14地区(面積で1,715ha)、調査計画中18地区(1,555ha)、調査検討中19地区が予定されており今後、帰還の状況によっては一気にほ場整備が進むことが考えられます。以上簡単な説明でしたが、わたしからの説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。○司 会 どうもありがとうございました。突然のピンチヒッターということで二田補佐大変ありがとうございました。     ― 休  憩 ―○司 会 定刻になりましたので、最後の講演に入らせていただきます。これより、「夢を実現する」と題しまして、花巻学院花巻東高等学校硬式野球部監督の佐々木洋様よりご講演をいただきます。 ご講演に先立ちまして、佐々木講師のプロフィールをご紹介いたします。佐々木講師は岩手県北上市のご出身で平成10年、国士舘大学政経学部経済学科をご卒業され、平成11年に花巻東高等学校に勤務、平成14年、同校硬式野球部監督に就任されまして、就任15年目を迎えておられます。 選抜高等学校野球大会準優勝並びに全国高等学校野球選手権大会において、常に上位成績をあげておられます。そして、埼玉西武ライオンズの菊池雄星投手、北海道日本ハムファイターズ、二刀流の大谷翔平選手を育てた監督として有名です。 それでは、佐々木講師よろしくお願い致します。特別講演平成29年願い共存共栄

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