東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 23 ―栽培米の輸出を拡大しています。2つ目は、岩手県遠野市の事例で女性の視点を取り入れた結果、農家レストランでの販売等までいわゆる6次産業化に発展しています。3つ目は、山形県最上町の事例で水稲からアスパラガスという付加価値のついた農産物の生産で、飛躍的に所得を向上させています。4つ目は青森県の外ヶ浜町の事例で一集落一農場を実現して、集落全体で農業を展開しています。2つ目の課題として東北管内における災害復旧の進捗状況について説明いたします。まず、始めに平成27年度までの農地・農業用施設の復旧状況です。農地は、被災した20,530haのうち、14,970haが復旧しています。排水機場は、被災した97機場のうち、これまで91機場で着工し85機場が完了しています。農地海岸堤防は、被災した123地区のうち、これまで106地区で着工し46地区で完了しています。次に農業関係の被害額及び被害面積の状況です。岩手、宮城、福島の被災3県の農林水産関係の被害額は2兆円を超えています。また、被災3県の農地の流失・冠水面積は約2万haあり(うち宮城県が7割を占めている)、広域にわたって50cm前後の地盤沈下が発生しています。このグラフは、農地の県別・年度別に見た復旧・整備の推移と見通しです。28年度までの営農再開は、転用除き進捗率で岩手県が約8割、宮城県が9割以上見込まれているのに対し、福島県では未だに5割程度にとどまっています。この資料は、被災農家のニーズを把握した施策を展開し震災後から営農再開に向けた取り組みをまとめたもので基本的に大規模化の方向に進んでいます。これは、仙台市沿岸の移転状況及び災害危険エリアを示した資料です。この資料は、国で実施している仙台東地区の復旧の状況です。農業を大規模に行うことができるように農地の大区画化を進め、担い手に農地集積の契機になるよう戦略的に整備を進めています。大区画化の工事は、平成30年度までに完了する予定となっています。この資料は、震災前と震災後で劇的に変わった六郷4ブロック「井土地区」の事例です。震災前は、地権者が多く農地が細分化されていて集約をさせることは難しい地域でしたが、災害を受けて農業をやる方が減少し農地の集積・集約化が劇的に進み、100haの農地を15人で法人化して営農を展開し優良な地区となっています。これは、水路を境に大区画に整備されたほ場とまだ整備されていなほ場の状況がよく分かる写真です。この資料は、県営でほ場整備を実施した岩沼地区で仙台東地区と同様、農業生産法人が大規模に農業を展開しています。図のように2haの大区画を整備し効率化を図っています。こちらは機械による省力化技術を積極的に導入している事例です。これが、先ほど説明した六郷4ブロック「井土地区」での収穫祭などのイベントを行っている状況です。ここからは福島関係の資料になります。これは、環境省が行っている除染の状況で、帰還困難区域を除く農地除染の除染率は記載のとおりとなっています。この資料は、ため池の放射性物質モニタリングと対策の概要を整理したものです。ため池の放射性セシウムは、空間線量率が高い地域を中心に高濃度に蓄積しています。また、ため池の放射性物質対平成29年願い協調融和

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