東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 20 ―上などの観点で優れた技術・工法の導入ということになります。検討の方向性ですが、フロントローディングの考え方に基づいて優れた技術・工法の採用を進めていきたいと考えています。具体的には、そのプロジェクトの上流段階において施工段階とか維持管理段階での効果やリスクを集中的に検討する仕組みを検討しているということになります。その導入の仕組みということで2つ考えております。1つ目はプロジェクト単位で省力化を考えていきましょうということ。いままでは工事の発注単位でしたが、1つの事業単位で考えていくということです。2つ目は事業単位での検討がなじまないという技術もあると思いますので、それにも対応できる枠組みも検討していくこととしております。技術を取り入れるためにいま試行されている入札形式がいろいろありますが、参考ということで3つほど契約タイプを載せております。残念ながらいま東北では活用されておりませんが、技術導入をするためにこういった入札制度の活用も必要と考えられております。3つ目が品質規定の見直しということで、これは新技術の導入促進とか施工の自由度を高めて受注者の創意工夫を促進することを目的としております。具体的にはいまスランプの規定について検討しております。スランプを対象とした理由は設計段階から適材適所で流動性の高いコンクリートを検討できる形の規定にできないかという声がありまして取り上げております。見直し案として2案検討しております。1つ目はスランプの値は参考値として品質の確認は空気量と水セメント比で確認するという方法です。その際は高密度の配筋の構造物など流動性の高いコンクリートが効果的に活用できる工種とか部位に試行的に採用を検討していく案としております。2案目はスランプまたはスランプフローについて構造・配筋などを考慮して適切なスランプ値を設計段階で検討、設定するという案です。品質の確認は従前の方法で良いものと考えております。こちらは案1による見直しのイメージを示しております。右側が見直した場合ですが、発注時施工時それぞれに規定されているスランプ値を参考値とすることを検討して、代わりに品質の確認はコンクリートの納入書で水セメント比を確認するということで考えているところです。最後に工程の改善ということですが、この目的は材料や資器材の供給などに関連して、調査、製作、運搬などの各工程において、より効率化が図られるような対策を取っていくことによってコンクリート工の生産性向上を目指しましょうというものです。検討の進め方には2つの視点があります。1つは待ち時間ロスの解消などサプライチェーンの効率化に向けてどのような対策がとれるかということ、2つ目が生産性向上の観点から材料の供給などに関連して改善すべき対策はないかといったことの2つで検討を進めております。こちらはこの2つの視点から現状の課題を整理して対策の方向性をまとめたものになります。対策①は工事の発注情報の発信を強化しましょうということ、対策②は施工関連情報の共有化を図りましょうという2つがあります。1つ目の工事の発注情報の発信強化のイメージになります。こちらではいままで提供しておりました発注情報の内容を見直して工事関係者が早い段階で具体的な情報共有ができる仕組みを検討したいと考えております。これによって早期の調達計画の検討とか材料調達のミスマッチの解消を期待しているところです。また、いまやっている発注見通しや入札公告情報と関連づけて、技術や工法についての情報も発信していきたいと考えております。対策の方向性の2つ目ですが、施工関連情報の共有のイメージになります。こちらは電子化あるいはクラウド化によって工事の進捗情報とか材料の試験結果などを共有しましょうといったことを検討しています。これによって適切な工程管理とか書類作成、検査の合理化、将来的には維持管理段階での情報活用といった部分も期待しているところです。こ特別講演平成29年願い協調融和

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