東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 19 ―平成29年願い相互信頼を考えています。次にトップランナー施策の2つ目、今日重点にお話ししますと言っておりました、コンクリート工の規格の標準化について説明いたします。コンクリート工は現地屋外生産ということで東北地方は特に気象条件に左右されるのが大きい条件で、またすっかり同じという現場はなく現場によって条件が異なるといった課題があります。コンクリート工の改善のポイントとして大きな柱を3つ立てております。1つ目、全体最適の導入ということでここでは工期の短縮や品質向上などの観点から優れた技術・工法を、施工、維持管理の段階までの効果も見据えながら、プロジェクトの上流段階から採用を検討していこうということを考えています。2つ目ですが、規格の標準化、要素技術の一般化ということで、施工の効率化が図れる技術として、例えば、すでに取り組んでいる話ですが機械式の定着工法ですとか鉄筋のプレハブ化といった技術に関するガイドラインを整備するほか、発注規定や検査方法の見直しなどもやれないかということで検討を進めているところです。次、3つ目の工程の改善ですが、これは材料とか資器材の待ち時間のロスを解消しましょうということで、調達、製作、運搬など各工程における課題の解決に向けた検討を行っていきましょうという大きな柱として3つを挙げて取り組んでおります。これらの対策を総合的に進めていくためにコンクリート生産性向上検討協議会を設置して議論しています。有識者委員の方々、関係団体、研究機関、発注機関ということで、東北からは東北大学の久田先生が委員になっておられます。ここからこれまでの検討状況について各項目ごとに説明して行きます。1つ目要素技術の一般化です。生産性を向上させる要素技術があるにもかかわらず十分に活用されていないのではないかといった声があります。原因としては設計基準がないとか経済性が劣るため採用できないとか、結果、受注者の方で承諾行為でも良いから実施したいということで進められております。これらの技術を活用するためにガイドラインを整備していきましょうということになっています。単に安い高いの判断ではなくて、工期の短縮や安全性、品質の向上などの要素も含めて総合的に評価する手法を整備していかなければだめじゃないかと言われております。各要素技術ごとに事務局の業界団体を決めて委員会をそれぞれ設置しております。4つの委員会が設置されておりましてこの委員会でガイドライン等の整備に着手しているところです。ここから各要素技術ごとに取り組み状況を紹介していきます。こちらはすでにガイドラインを策定して取り組みに入っているもので、機械式の鉄筋定着工法になります。これ以降は現在検討されている技術となりますが、スリーブを利用して鉄筋を接合する機械式継手の工法になります。従来は重ね継手とかガス圧接とかといった工法でしたが、スリーブを使って接合するという工法の検討です。こちらは流動性の高いコンクリートになります。これはどのような場合に採用したほうが良いかなど適用条件を明確にする必要があるということで検討中の案件です。次が鉄筋のプレハブ化です。現場での組み立て作業が削減できてさらに安全性の向上にも効果が期待されている要素技術です。次は埋設型枠、残存型枠ともいいますが、型枠をプレキャスト化しそのまま構造物として一体化するというものです。これは皆さんにも関係するかと思います。最後になりますが大型ボックスカルバートの活用ということで、これは東北において復興道路で多く採用されているところです。現場作業の効率化のメリットがあるのですが一方で経済性の面で高上りになっているといったことがあります。あとは運搬のために分割することになりますが、継手が多くなり構造的に弱点にならないのかといった点を検証していくことになっています。次に2つ目の建設生産プロセスの全体最適化についてお話いたします。目的は工期短縮や品質向

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