東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 18 ―特別講演管理。」2つ目は「建設現場に最先端のサプライチェーンマネジメントを導入すること。」3つ目は「新たな提案などを阻害しているキセイの打破とカイゼン」という3つの視点から進めようとしているところです。もう少し具体的には生産性向上のイメージ図になりますが、考え方としてはいままでよりも少ない人数で少ない日数で同じボリュームの施工を実現させましょうというものになります。それでは2つ目ということでいま紹介した3つのトップランナー施策について説明いたします。トップランナー施策は(1)ICTの全面的な活用(2)全体最適の導入(3)施工時期の平準化の3つの施策になります。ICTの全面的な活用ではいまのところ土工について取り組んでおります。今後ほかの工種への拡大を考えているところです。今日はコンクリート製品業界の皆さんの集まりということですので、2番目の全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)について重点的に説明いたします。1つ目のICTの全面的な活用の部分ですが、いま東北地方整備局としてもICT土工ということで取り組んでおります。実際の現場に着工する際に測量作業を行いますが、この測量をドローンを飛ばして空中から写真を撮ってこの写真データをもとに図面を作成するという方法で最初の測量を行っております。この三次元測量データによって設計も行います。さらに実際に施工するICT機械に入力して、オペレーターがベテランでなくとも施工できるようなマシンコントロールとかマシンガイダンスなどのシステムを使って施工が楽にできるといったこともやっております。最後、出来形も測定しますがこれも3次元測量と同じようにドローンを飛ばして空中写真を撮って、そのデータと設計データを比較して規格値以内であれば合格という形で検査を受検する流れになります。いま東北地方整備局ではICT土工について、今年度から始まったのですが約50件の工事で取り組んでおります。これから増えていく傾向にあります。どこの部分で効率的かと言いますと、最初の3次元測量の部分ではいままで一人がポールをもって、一人がトランシットを見てといった現場の作業があって、その現場で取られたデータを机上で図面作成するというように日数がかかっていましたが、ドローンを飛ばした場合は1日でデータが取得できてそれをパソコンで処理すれば次の日には図面が出来上がっているといった具合で、かなり工程短縮、省力化に有効とされております。次は3つ目にありました施工時期の平準化についてになります。これは通常、公共事業を発注する場合単年度予算ということで、年度当初に発注、工事準備で4,5,6月あたりはあまり現場は動かず夏ごろから動いてきて、年度末はかなりの繁忙期という状況になっております。この繁忙の部分とひまな部分、この山をひまな部分に切り崩して平準化しましょうという取り組みで、これをやることによって労働環境の改善を図ろうという取り組みです。具体的にどういうことをやるかと言いますと、早期発注とか2か年国債の活用平成29年願い共存共栄

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