東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 17 ―平成29年願い協調融和【特別講演2】i-Constructionの取り組み国土交通省 東北地方整備局 企画部 技術管理課 建設専門官  中嶋 弘明 氏ただいま、紹介にあずかりました、東北地方整備局企画部技術管理課で建設専門官をしております中嶋と申します。よろしくお願い致します。日頃から国土交通行政に対してご理解とご協力をいただきまして、この場をおかりして御礼申し上げます。また、今日このような情報提供の機会を設けていただきましてありがとうございます。私の方からは、国土交通省で昨年度末から取り組んでおります、i-Constructionに関する話題提供ということでお話いたします。1.i-Constructionについて、2.トップランナー施策の推進、3.全体最適の検討(コンクリート工の規格の標準化等)の3つの柱で話を進めていきたいと思います。最初にi-Constructionの全体の概要について説明いたします。先ほど就業者数の減少の話がありましたが、建設業の就業者数もバブル崩壊後減少しております。ただ、それ以上に建設投資が減少している中で労働力が過剰という状況が続いております。生産性向上の取り組みというのは、このような労働力過剰という状況でずっと見送られてきておりました。こちらのグラフが、2年前のデータですが、技能労働者の年齢構成を示しております。50代以上が110万人いますけどもこれから新しく入職してくる方が少なくまた増加も見込めず、今後10年間でこの110万人が離職してしまうと労働力が不足してくることが予測されております。こちらは土木工事における生産性の変遷を、単位当たりの作業員数について過去と現在で比較したものです。トンネル工事については従来矢板工法を使っていましたが、いまはNATM工法を使うことで作業員数がかなり減少して生産性が昔より約10倍に向上しています。建設現場で作業員数の多い工種というのが土工それとコンクリート工で全体の4割を占めている状況にあります。こちらについては過去に比べてあまり生産性が上がっておらず、横這いという状況になっています。ここの部分を何とかして改善できないかというのが課題となっておりました。生産性の低迷とか労働力不足といった現在の建設現場の課題などを受けまして生産性を向上させましょうということでi-Constructionに取り組んでいるところです。i-Constructionでは、資料の中段にありますがプロセス全体の最適化ということで3つほど挙げております。1つはICTの全面的な活用、2つ目がコンクリート工の全体最適の導入、3つ目が施工時期の平準化、これら3つをトップランナー施策として位置付けまして企業の経営環境の改善や魅力ある建設現場にすることや安全性の飛躍的な向上を目指して取り組んでいくものです。建設現場の宿命・特性(一品受注生産、現地屋外生産、労働集約型生産)に対してIoTを活用していきましょうということで、進めるための3つの視点を整理しています。1つは「天候に左右されないようにロボットなどを活用した生産

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