東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 16 ―では、世界基準の認証を取得する企業を育てて、その企業が大手企業の取引の受け皿になり、部品の単体加工ではなく、部品を完成品として納入できるような中核企業を育成しようと取り組んでいます。東北にも数は少ないですが、世界基準の認証取得に向けて頑張っている企業がありますので専門家を派遣して認証取得や技術力の向上に繋がる取り組みを実施しています。ロボット化については、ローカルロボティクスの推進に取り組んでいます。ローカルロボティクスとは、地域への自動化システム導入を促進して、その自動化システムを地域の事業者が作れるようにしていく体制整備を進めていく取り組みです。これから人口減少が進み人手不足が顕著になると自動化しなければならないところがたくさん出てきます。ロボット導入では、価格が高額でありメンテナンスをどうしていくかなど様々な問題が出てくると思われます。そこで地域のロボットシステムインテグレーターを育てながら安価な自動化システムを地域で導入し地域の事業者が自動化システムを構築・メンテナンスもできる環境整備に取り組んでいきたいと考えています。先ほど岩瀬部長から話がありましたIoT推進ラボの取り組みについて説明いたします。現在、IoT推進のため、企業連携支援、資金支援、規制改革を支援メニューとしてIoT推進ラボが組成されています。IoT推進ラボには東北の企業は約40社が会員になっていますが、まだまだ加入が少ない状況です。局では、IoTに関する東北地域への啓発に取組み、まだまだ認識の薄いIoTについて広く周知していきます。IoTを活用したサービスや課題解決に向けた取り組みの具体例として、建設機械を製作しているコマツの事例を紹介します。コマツではこれまで建設機械単体を製造して販売しておりました。この建設機械にセンサーを取り付けてセンサーから稼働状況の情報を取得、この情報をもとに顧客に対してオイルや部品交換時期を顧客に伝達するサービスを行っています。さらに建設現場での人手不足という課題に対応するため、ドローンで実測した3次元データを用い建設機械の自動制御への取組みなどを行っています。重点3の地域資源関連をご説明します。ふるさと名物応援宣言は、地域産業資源を活かした「ふるさと名物」について各自治体といっしょに応援する取り組みを行っています。 二戸市の浄法寺塗の話を聞く機会がありましたので簡単に状況をご紹介します。ここでは漆器を販売しているほかに漆を生産しています。国産の漆の8割を生産して国内の文化財の修復などに使われ高い評価を受けているとのことでした。ただ、担い手不足が深刻とも言ってましたのでふるさと名物応援宣言などによりサポートする必要があると感じたところです。交流人口、外国人観光客の現状については、東北地域は非常に低迷しており6県あわせても外国人旅行者の宿泊のシェアは0.9%というデータになっています。最後に、中小企業庁で整備していますよろず支援拠点をご紹介します。これは中小企業の売り上げを伸ばすために設けられた支援機関です。静岡県の富士市に富士市産業支援センター(f-Bizと呼ばれています)という支援機関があります。ここのセンター長に小出さんという方がいて、相談に来た中小企業の売上げを次々に伸ばしていったという成果を上げました。このf-Bizをモデルに設置された機関となっております。売り上げを伸ばしたいという方はぜひ相談していただきたいと思います。時間となりましたので、私からの説明は以上です。ありがとうございました。○司 会 ありがとうございました。何かご質問がございましたら。和田課長補佐 どうもありがとうございました。続きまして、「i-Constructionの取り組み」と題しまして、東北地方整備局 企画部 技術管理課 建設専門官の中嶋 弘明様よりお願い致します。特別講演平成29年願い相互信頼

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