東北コンクリート製品協会会報No.6 2017年3月15日発行
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― 15 ―3が「世界をも惹きつける地域資源の戦略的活用」、重点4が「企業やひとの活躍を支える環境づくり」、重点5が「安定的なエネルギー環境基盤の確立」です。重点1の復興関連を説明します。津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金の工場立地採択件数は東北で520件となっています。商業施設の復興関連をご紹介しますと、商業施設の被災地の状況は、仮設施設で商店や飲食店等を経営している方が多数おられます。その方々が今後どのように商売をしていきたいか意向を確認して今後の方向性を検討した結果、そのまま仮設で商売をしたいという方には今後も仮設を利用していただく、自分の店舗を持ちたいという方にはグループ補助金を活用して自分の資産として店舗を建設していただく、もう一つの選択肢として後継者の問題もあって自分の店舗ではなく貸店舗を借りて商売をしたいという方々には商業施設等復興整備補助事業を活用していただくことになります。女川町、山田町、陸前高田市など、中心市街地が壊滅的な被害を受けたところでこの補助事業が多く活用されており、地元の商業者と自治体の皆さんでまちなか再生計画を作っていただき、この補助金を使ってテナント型商業施設を建設しています。水産加工業は、被災地沿岸地域の基幹産業です。東北経済産業局としましても水産加工業の復興なくして沿岸地域の復興はないということで取り組んでいます。震災で水産加工業の販路が失われ販路が戻らない状況が続いており、震災前の売り上げに達しない事業者も多くいると聞いています。局では国内にとどまらず海外にも販路を求めていくという取組みをしています。日本の水産加工業は世界的に見て北海道というブランドが有名です。北海道のブランドに対抗できるのは三陸だろうと言われており三陸ブランドを創り海外にも販路を拡大する取り組みをしています。重点2のものづくり関連について説明いたします。地域中核企業創出・支援事業に取り組んでおり、自動車、医工連携、航空機、エレクトロニクス分野などを重点的に支援しています。私は航空機を担当していますので事例をご紹介します。現在、民間航空機産業の中心はボーイング社のアメリカ、エアバス社のヨーロッパとなっています。民間航空機の旅客需要はアジアを中心に右肩上がりで増加しております。現在、世界で2万機の民間航空機が飛んでいますが、20年後には民間航空機数が倍増するといわれています。このため航空機部品の生産も右肩上がりで増加する見通しとなっており、東北の中小企業にとっては航空機産業に参入するチャンスを迎えています。日本の航空機産業の大手企業や部品加工をする事業者は、愛知県をはじめとする中部地域に集積しており、遠い東北まで部品を発注することは難しい状況にあり、なかなか取引には繋がりません。航空機産業は安全性が非常に重要視され、安全基準を厳格に求め、さらに高度な品質管理が求められます。航空機部品として金属を加工する場合は、切削加工、熱処理、非破壊検査、表面処理、仕上加工などの工程を得て部品として完成します。熱処理、非破壊検査、表面処理等の特殊工程は、世界の品質基準を満足する認証を取らないと加工ができません。局平成29年願い共存共栄

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