東北コンクリート製品協会会報 No.4 2016年3月15日発行
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― 30 ―(一般廃棄物の焼却灰含む)の焼却灰とホタテ貝殻を溶融後、金属と溶融スラグを比重分離し溶融スラグを製造しており、これが利用されております。一般廃棄物由来の溶融スラグは青森エコクリエイションが供給元になっており、竣工して間もない施設とのことです。東北6県のリサイクル認定制度で認定されているコンクリート製品に利用されているリサイクル材は溶融スラグが突出していると言えるかと思います。(なお、県の認定を取得せずに利活用が行われているケースもみられます。)またリサイクル材の発生量や使用量のデータは当協会に加盟していないメーカーさんもありまして、現在整ってはおりません。部会では今後取組むべきリサイクル材料として2つ考えております。再生骨材M、中品質の再生骨材ですが、これは都市部において、将来、建築物の解体によって発生するコンクリートがらの増加が予測されておりますので注目すべきリサイクル材料と考えております。2つ目は高品質フライアッシュ(カーボンフリーのフライアッシュ)、これは高耐久・高品質のコンクリート製品の製造が期待できる混和材料として注目しております。言うまでもありませんが資源の枯渇であったり循環型社会構築の観点からコンクリート産業においてもリサイクル材料の有効利用が求められているところです。再生骨材Mは老朽化したコンクリート製品、災害によるコンクリートがら、建築物等の解体コンクリートの破砕物を粒度調整して作られ、骨材としてコンクリートあるいはコンクリート製品に再利用されます。このことによってコンクリート資源サイクルが構築されるものと考えております。再生骨材Mのコンクリート製品への利用について対象としている製品は設計基準強度30N/㎟程度を考えております。JISA5022再生骨材Mを用いたコンクリートでは最大で36N/㎟との記載はありますが、一般的な強度の30N/㎟程度としております。再生骨材の付着モルタルによるアルカリ骨材反応対策としてはフライアッシュまたは高炉セメントB種を使用します。また、再生骨材の耐凍害性の評価は簡易凍結融解試験法を用いて行います。再生骨材Mのコンクリート製品への利用は以上の3つの条件を基本として考えております。2つ目の着目材料の高品質フライアッシュ、これはフライアッシュを加熱改質して未燃カーボンを1%以下に抑えたもので空気量のコントロールが容易になっております。またJISフライアッシュと同じコンクリート用混和材としての効果を持っており、高耐久・高品質コンクリート製品の新しい分野の確立が期待されております。日本製紙社石巻工場において2016年4月から量産化が計画され、年間10,000tの生産が予定されております。以上でリサイクル未利用資源の利活用検討部会の中間報告を終わります。ご清聴ありがとうございました。【齋藤パネリスト】「小規模橋梁検討部会報告」昭和コンクリート工業の齋藤と申します。小規模橋梁検討部会のこの1年の活動について時系列でご報告いたします。昨年開催されましたこのセミナーで久田先生に座長をお願いして「コンクリート製品業界の今後の課題と対応」について討論会を行いました。コンクリート製品業界の課題として次の6項目が挙げられております。1.品質の確保、2.インフラの老朽化対策、3.リサイクルの推進、4.未利用資源の積極的利用、5.除染廃棄物保管容器、6.平時の製品供給、これらについて複数のパネリストが話題提供を行いました。その中で特にインフラの老朽化対策として小規模橋梁の架け替えがクローズアップされているという話があり、ニーズの高まりについて意見が出されました。12月の理事会において、2つの部会(品質の確保、リサイクル)の立ち上げと「小規模橋梁検討部会」について渡辺理事がまとめ役となり、最初は準備会としてスタートすることとされ、まずは取り組み方法や進め方を決めてその討論会平成28年願い共存共栄

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