東北コンクリート製品協会会報 No.4 2016年3月15日発行
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― 24 ―ひっ迫した状態になりましたが、現在も不足気味という状況は続いていると思います。先ほど国交省さんからお話のあった通り建設資材対策東北地方連絡会というものがございますが、今年度も開催されていてさらに復興の加速化も検討されているということで私としては頼もしく伺っておりました。ここをご覧ください、拡大してみました。「需要量抑制策はコンクリート二次製品への転換がポイントになる」「コンクリート二次製品を積極的に活用する」ということが明記されています。この連絡会、2012年ですので震災後1年ないし2年でこのようにうたってありました。とはいえ、復興が終了する2020年には東京オリンピックもあります。その年を目指して行くのも大事だと思いますが、私たちにとってはその後、継続していく、持続されるということが大きなポイントだと思っております。震災から5年ということで各年度で何があったかをざっくりキーワードだけでまとめてみました。2011年は発災した年でしたし、人命救助、くしの歯作戦というのがありました。2012年はがれき処理に取り組み、笹子トンネル事故があってインフラの老朽化が大きくクローズアップされました。2013年はメンテナンス元年と位置づけられ、政権交代の年でもありました。2014年は最後の警告ということでインフラの老朽化の話が続きました。2015年、福島に目を向けて除染、放射性廃棄物の問題など、いろいろなことがあった5年間でした。そして2016年になりますと復興10年の節目、後半戦がスタート致します。今日の討論では東北コンクリート製品協会さんはじめプレキャストを供給される皆様方から5年間で何をしてきたのか、これから5年、その先を見据えて何をしていくべきなのかというところを大きな論点として活発な討論をさせていただきたいと思います。まず何をしてきたかということでパネリストとしてご登壇いただいています、金子さん、小浦さん、佐藤さん、齋藤さんから、それぞれご報告をいただきます。最初にプレキャストコンクリート製品の震災被害の状況について、生コン、プレキャストとを比べてその被害の状況はどうだったのか、強みは活かされたのかといったところを議論していきたいと思います。2つ目はコンクリート二次製品における品質の確保検討部会、昨今、三陸道でチェックシートなど品質確保の取組みが現場打ち生コンの方で進められていると聞いております。それに対して二次製品の方では品質の確保についてどのような取組みができるかを検討いただきたいということで、今般部会を作っていただきまして、検討状況をご報告いただくということになっています。3つ目はリサイクル・未利用資源の利活用検討部会、こちらは石炭灰、再生骨材など未利用資源としてリサイクルしうる素材をいかにうまく使いこなすかというところを検討されている部会かと思います。その活動状況を紹介していただきます。4つ目は維持管理・老朽化の話の中で、日本に70万橋ある橋梁のうち大半の50万橋近くが15m以下の小規模橋梁になっています。そういった橋梁に対して、上部工、下部工、支承部を設けた橋梁を作るよりも、例えば、大型カルバートを積極的に導入して維持更新を推進したほうが理にかなっているだろうし、生産性も効率が上がるのではないかという期待がある分野でして、小規模橋梁検討部会さんからも検討状況を紹介いただこうと思います。これらの報告・話題提供も踏まえまして「プレ討論会東北大学大学院工学研究科 土木工学専攻 教授 久田  真 氏平成28年願い共存共栄

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