東北コンクリート製品協会会報 No.4 2016年3月15日発行
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― 20 ―【特別講演3】農業農村整備事業における復興・再生について農林水産省 東北農政局 農村振興部 防災課長  諸岡 弘文 氏ご紹介いただきました、東北農政局農村振興部で防災課長をしております諸岡弘文と申します。せっかくこういう機会を作っていただいたにも関わらず、本日は、講習後に予定が入っておりますので、お時間を多く取ることができません。最初にお詫び申し上げますが、よろしくお願いします。さて、皆様には日頃より農林水産分野、農業土木分野の施策にご支援をいただきまして、まず、御礼を申し上げます。講習を始めるにあたり、東日本大震災において発生被害の実態を、農地面積と被害金額で表し、当時の被害がどれだけひどかったということを再確認してください。これは、被災3県の農林水産関係の被害を表したもので、総額2兆3,399億円、農業関係は約9千億円となっております。農地では、2万haの被害が生じていたということになります。さらに、現在どこまで復旧が進捗しているかを示した表もご用意致しました。実は、岩手県は小さな農地が数多く点在しておりまして、おそらく皆様のイメージとは違い、思いのほか復旧が進捗しておりません。大きな被災農地の面積を抱えている宮城県が一番進捗しております。福島県の農地は、原子力災害を受けているため、帰還困難地域等を多く抱えており、なかなか復旧が進まないという状況です。次に、私ども農林水産省が現在、復旧事業を行っている場所の詳細を整理しております。本日ご出席頂いております皆様が一番ご関心の高い内容かと思います。表を見ていただきたいのですが、現在、現場が動いている地区名と事業内容、つまり具体的に何をやっているかを示しております。後ろに詳細な資料をつけておりますが、「仙台東地区」では、ほ場整備事業を行っております。工事量が大変多くあり、コンクリート資材という観点ではポテンシャルの大きな地区となっています。名取川地区等は、排水機場などの施設改修が主となっており、建屋とか、機械整備の工事が多くなっています。皆様のご関心が高くなるのは、「仙台東地区」と「請戸川地区」になろうかと思います。まず、「仙台東地区」のほ場整備事業の概要をご説明致します。全てのエリアは、1,900haほどの農地面積をほ場整備する予定になっております。大区画整備については、昨年までに330ha完了しており、今年度は440ha工事着手しております。さらにこれから1,200haほどの農地面積が工事予定となっております。ほ場整備事業とは、具体的に申し上げますと、早期に農地復旧を完了させたあと、被災によって営農を放棄してしまった農家が出てきたことから、これらの農地の有効活用を図るため、大規模に農業をやろうとしている方へ農地が集約できるようにする必要が出てきました。迅速に対応出来るよう農地基盤を大区画にして、大規模な農業が展開しやすくするという事業になっています。特別講演平成28年願い協調融和

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