東北コンクリート製品協会会報 No.4 2016年3月15日発行
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― 18 ―国で昼夜を問わず作業を行って9月16日にはすべて完了させております。ソフト面の話になりますが、各自治体の情報を収集する目的でリエゾンを派遣しております。また技術支援ということでテックフォースも派遣しておりまして、ポンプ車の操作なども行います。これは災害対策室での当時の太田大臣とのテレビ会議の状況です。火山噴火に関する取り組みも行っておりまして、大きな噴火はまだないのですが、有事に備え噴火防災訓練も実施しております。コンクリート製品の留意事項ということで、道路部でのPC橋の高耐久化の取組を紹介します。PC桁について高耐久のものを採用していきましょうというのが一つです。ここに示しているのは、秋田と岩手の間を走る国道46号に架橋されていたPC桁(中空床版桁)でこの床版桁の中に塩分の濃い水が浸入して中からさらに、外からも凍害とか塩害の影響を受けて下面の鉄筋がボロボロになった状況の写真です。30年ちょっとで撤去になり、現在は軽量盛土構造に変更しております。劣化の状況をみますと骨材の周りにアルカリシリカ反応の痕跡も見られ、凍結抑制剤による塩害と現地は寒さが厳しいことから凍害との複合劣化によるものと推測されております。では何が必要なのかということですが、PC橋は補修が難しいため、作る段階で損傷に対応できる性能にする必要があります。まず、耐凍害性を向上させるためにコンクリートに連行される空気量を確保するということで取り組んでいます。最終的にどうしたかと言いますと、ASRを起こさない骨材を使用すること、塩害対策としてPC鋼線、鉄筋ともに被覆されたものを使用すること、凍害対策として水セメント比40%以下、荷卸し時の空気量を6%程度とすることとして事務連絡で流しております。もう一つはポステン桁の仕様を一部改訂しております。全部は紹介できませんが鋼製シースだったものをPEシースに変えたりしています。つぎに二次製品関係の不具合事例の話を致します。ボックスカルバートの鉄筋で、引っ張りを受ける側にD29を2本束ねる設計だったのですが、図面を書くときに誤って1本しか書かずそのまま製作して耐力的に持たないことになった事例になります。同じことを繰り返さないよう、この教訓を他に生かしていただきたいということです。鉄筋を2本束ねるというのは特殊な事例ですので、設計する側、図面を書く側、作る側で情報を共有していただけばいいのかなと思います。もう一つの事例は製品自体の不具合ではなく施工する側の問題だと思いますが、沢の傾斜部に計画されたボックスカルバート、沢の部分の地盤は弱かったのに地盤処理をせず盛土したため、盛土荷重で不等沈下してしまったのではないかという事例です。製品メーカーさんには、施工現場の条件を確認していただき、アドバイスをお願いしたいと思っています。整備局ではコンクリート品質管理データベースといった取り組みも行っています。主に現場打ちが対象ですが、二次製品も対象になっています。ボックスカルバートは内空断面2.0㎡以上となっておりますので対象となるものは多いと思特別講演平成28年願い共存共栄

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