東北コンクリート製品協会会報 No.4 2016年3月15日発行
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― 17 ―う取組みをしております。単に工事名を公表するだけではなく、その工事でどういった資材をどのくらい使うかといった情報をまとめて出していくことにしています。こちらは被災3県の沿岸9地区、特に生コンがひっ迫している地域になりますが、これらの地域でどういう対応をしなければならないかを整理して情報共有に努めております。つぎは建設業就業者の推移のグラフですが、減少傾向ですし、全産業に比べ高齢の就業者の割合が高くなっています。このように生コンが不足する、人手が不足している状況を踏まえて、直轄の事業ではコンクリート二次製品への転換を進めています。仙台湾南部海岸の堤防復旧事業では、既設ブロックを可能な限り再利用すると同時に被覆ブロックなどを二次製品にしております。こちらは道路の案件ですが、現場打ちのボックスカルバートを工場で製作したプレキャスト製品に転換して現場で組み立てて構造物としております。宮古にある三陸国道事務所管内では180箇所でコンクリート二次製品を採用しています。平成27年度、官民によって重点的に取り組んでいきましょうという項目の一覧表を示しています。この中に情報化施工、プレキャスト化等の推進といった項目がありまして、工場製品の活用等による施工の省力化・効率化が重点項目の一つにうたわれております。プレキャスト化することによってどういった効果があるかということですが、今不足している鉄筋工・型枠工が現場にいなくても良いということ、屋外の作業が短くてすみますよということ、東北はこれから厳しい気象条件になりますがプレキャストですと緩和されること、全体の工期短縮という面でも効果があるということになっております。逆にデメリットはと言われると、唯一上げるとすると、ちょっと高いですねということになります。工期が短縮されるので時間をお金で買っているということになるかと思います。逆に言うと、時間があれば現場打ちで良いという話にもなります。ここで見なれない言葉が出てきますが「アイ・コンストラクションで建設生産革命」石井大臣が記者会見で表明しているものです。建設産業の生産性向上のためにやろうとしていることですが大きな柱が3つあります。土工におけるICTの全面的な活用、簡単に言うと情報化施工。2つ目、コンクリート工における規格の標準化、ここは皆さんに関係するかと思います。3つ目が施工時期を平準化して行きましょうということです。本日お話したかったのは2つ目で、型枠のプレキャスト化、各部材の規格(サイズ)の標準化を推進して施工効率を高めるということです。具体的には来月中旬に有識者会議を立ち上げる予定と聞いております。進める上では作る側の方の意見も聞かなければということで業界団体さんの意見も聞いて来年度以降取り組んでいくことになります。当面は比較的小規模の構造物(側溝、ボックスなど)の標準化から進めていくことになると思います。次に災害対応の状況について簡単に説明いたします。昨年度国道48号線、作並のところで雪崩がありました。通行止めにせざるを得なかったり、迂回しなければならないなどの災害対応をしております。災害対策基本法が昨年11月に改正されまして、豪雪で車両が身動きできなくなり緊急車両が通れないという状況下では、緊急車両の妨げとなる車両を道路管理者がある程度の手続きを経たうえで移動できることとなりました。昨年この対応をしたのが3件ありました。冬期間はこの法律の発動も視野に入れて災害対応していくこととしております。宮城県では渋井川という鳴瀬川水系の県管理の河川が3か所で破堤してしまいました。県からの要請で国が対応しております。東北地整だけの排水ポンプ車では対応できないということで北陸地整、北海道、中部からもポンプ車派遣要請をして計21台で内水を排除しております。また、破堤した部分の緊急復旧対策で大型土のうを積む工事も平成28年願い協調融和

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