東北コンクリート製品協会会報 No.4 2016年3月15日発行
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― 14 ―なってきているというのが3点目です。それから4つ目として、震災前は若者が流出して過疎化が進んでおりましたが、震災を契機にして被災地で働きたいという方々もいらっしゃいまして、被災地での新事業が伸びています。これを一過性のものにしないで被災地から継続的に新しい取り組みが生まれてくるような支援をしていかなければならないと思っています。これらが経産省で考えている被災地の大きなポイント4つということになります。これを具体的に見ますと、被災3県の鉱工業生産指数は、各々県全体ではほぼ震災前の水準まで回復していますが、津波被災市町村及び原子力被災市町村は震災前の状態まで回復していない状況です。こちらはグループ補助金、復旧支援の補助金ですが、ハード復旧を4分の3補助しておりまして、東北で9,000社ほど使っていただいております。これらの事業者に売り上げの回復状況についてアンケートを行っています。全体の数字を見ると震災前と比べて売り上げが増加している割合は少しずつ伸びております。震災前より増加および変わらないという事業者が約45%となっています。業種別に見ますと水産関係・食品がゆるやかながら回復はしていますが、数字としてはまだ小さい状況です。それから、卸・小売りと旅館・ホテル業は売上げが増加している事業者と売上げが減少している事業者が2極化しております。ここから東北経済産業局の施策についてご説明いたします。まちづくりの関係で、沿岸の市町村は、人が減って商売もなかなか成り立たないという状況ですので、交流人口をどうやって増やすかという課題があります。一方、西日本から見ると、東南海地震に備えて、東日本大震災から学ぶべき、様々なニーズがあると思います。防災のあり方であるとか、まちづくり、壊滅的に町がまったくなくなった中で、どうやってまちづくりをすべきなのか。それから地域課題ですね、どこでも高齢化は進んでいますが、沿岸の市町村では震災後一気に高齢化が進んだわけです。若者は内陸にどんどん移動してふるさとでがんばるというのは高齢者の方が多いというのが実態です。こういう中で市町村はどういったまちづくりをするのか、高齢者向けのまちづくりをどうしていくのか、これから解決していかなければなりません。いま復興ツーリズムということで、復興庁と経産省といっしょになって、西日本の方々に学んでいただきながら交流人口を増やすことに取り組んでいます。また、これは開業率のデータですが、宮城県は全国2位(今は少し落ちていますが)になっておりまして、これを継続、支援していきたいと考えております。震災の次の話として「地域資源の活用の抜本的強化」大きな目玉は観光ですが、観光を切り口として地域資源をどう生かしていくかということです。これまではどの県もどの市町村もうちのまちに来てください、うちの県に来てくださいというやり方でしたが、考えてみますと、海外の観光客は京都、富士山、東京といったいわゆるゴールドライン、広域移動になっています。仙台に来たら仙台だけで終わりではなく次にどこへというふうに広域展開をしていかなければなりません。当局長が推進役になって、新潟県も含め7県知事に出ていただくプロモーションビデオを制作して海外へ向けPRしております。いま取り組んでいるものとして、夢の桜街道運動を整備局、運輸局、農政局の皆さんと連携してやっております。東北は桜がうまく北上してきますのでそれに合わせて観光客を東北一帯に誘導しようとする取組みです。今年の10月から酒蔵街道プロジェクトというのを始めております。桜は春しかやれないというところがありますので、通年やれるものとして酒蔵をキーワードにして、東北の酒をPRしながら地域の文化であるとか、食、その他の観光なども含めてうまくやって行こうとしているものです。この活動として東北の80の酒蔵に賛同いただいています。これらの蔵と連携しながらどういう仕掛けができるか、エージェントとも組みながら検討しているところ特別講演平成28年願い協調融和

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