東北コンクリート製品協会会報 No.4 2016年3月15日発行
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― 13 ―【特別講演1】東北の  経済・産業の現状経済産業省 東北経済産業局 地域経済部 情報・製造産業課長  有路 正浩 氏皆さんこんにちは。東北経済産業局の有路と申します。よろしくお願いいたします。私の後に、整備局さん、農政局さんから皆さんの事業に直結したお話がございますが、私からは本セミナーの導入ということで東北の経済・産業はどうなっているかというところと今後、国としてどういったところに取り組んでいくかについてお話しいたします。まず、東北地区の経済動向ですが、このグラフは震災前からの鉱工業生産指数です。震災で大きく落ち込んだわけですが、回復は意外に早くて翌年にはほぼ震災前の指数に戻っています。その後、全国と同じ動きで生産活動は続いているということになります。しかし、業種別に見ると差がありまして、一番上が輸送用機械で自動車産業が東北の経済をけん引していると言えると思います。トヨタさんも震災後「トヨタは復興に貢献します。」と言っていただいて、東北を国内第3の拠点と位置付けて多くの投資をしていただいております。アクアも小型車売上げNo1になっていますし、カローラ、最近売り出したシエンタ、すべて売上げ上位、これらは東北で生産されております。自動車産業、大いに牽引していただいておりますが、他の産業も回復していると言えるかと思います。最近、中国経済が弱含みということで、電子・デバイスとか弱いところはありますが、東北全体でみると震災の影響はほとんどなくなったと考えております。業種別グラフに入れていないのですが、食料品が少しまだ低いです。宮城県の鉱工業生産指数の中でも食料品はウェイトが高いのですが、宮城県だけでみると指数でまだ70ぐらいでかなり低い数字になっています。小売業の動向を見ますと消費につきましても震災の影響はほとんど見られない状況です。少し震災関連の話をさせていただきます。産業の復興ということで見ますと、4点ございます。いまご説明しました通り東北経済全体としてみますと自動車に引っ張っていただいて、震災の影響はほとんど見られませんが、地域別では、津波被災、原子力被災市町村はまだまだ回復は遅れております。壊滅的な被害を受けた津波被災地域はまちづくりをやっているところですので、生産活動、かなり戻っては来ておりますが、販路の問題や従業員不足とかで回復はまだまだ遅れているという状況です。東北全体、マクロではほとんど戻りました、しかし地域別ではまだまだ回復は遅れているというのが第1点です。2つ目としまして、商業・まちづくりになります。沿岸の市町村を見ますと、復興住宅を作ってもすでに内陸に移転してしまっていたり、働く場がないなどいろいろな問題があって住民が戻れる状況にはまだなっておりません。このような中で時間はかかるかと思いますが、商業・まちづくりがやっと動き始めましたというところです。3つ目ですが、多くの津波被災市町村の基幹産業は水産加工業になります。工場設備等の復旧はしておりますが、販路の縮小それから人材不足などに問題を抱える企業が多く、販路の回復や開拓のために付加価値を高める取り組みが大変重要に特別講演平成28年願い相互信頼

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