山形のシシ踊りガイドブック―楽しく見るための手引書―
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5とても類似しており、カモシカの群れ、遊ぶさまを演じた伝承も共通しています。カモシカを模した小型のカシラは大変めずらしいものです。⑶ 置賜地区 ほぼ共通する点は次のようなものです。シシは関東系の三頭で、先頭に大小の「まとい」「田楽提灯」をかかげ、数名の花笠(早乙女)・踊り子がシシの後方で盛んに動きながら太鼓を打ち鳴らします。演技の途中に「ほめ言葉」が入り、それに対する「返し言葉」もあります。 また、米沢市以外のシシ踊り団体の共通性として以下の点があげられます。リード役・道化役の「面すり(ササラスリ)」が存在し、「火の輪(花輪)くぐり」の曲技を演じます。シシは腹に太鼓をもちません。花笠(早乙女)・踊り子の衣裳が華やかですが、シシはやや地味でありモンペをはいています。長い幕を両手で左右に揺らしながら踊る幕踊り系です。⑷ 庄内地区 大きな相違点は、最上川をはさんで北部・飽海郡エリアと南部・田川郡エリアに大別されることです。飽海郡エリア(酒田市=旧酒田市・旧平田町・旧八幡町)にほぼ共通する点をあげてみると、シシは五頭または六頭です。カシラは山鳥の羽根を立てています。美しい四角形の花笠をかぶる「中踊り(中立ち)」がリード役となる場合があります。寺院の「施餓鬼旗(せがきばた)」を背にもつ団体(青沢獅子踊・新田目獅子踊)が存在します。 一方、田川郡エリア(庄内町や鶴岡市)にほぼ共通する点をあげてみると、シシのカシラにツノ以外に兜の前立に似たものを二本立てています。太鼓はシシの幕の中で竹ワク付きの太鼓を打ち鳴らします。華麗なササラすりは女児が多く、シシと対決し退治する太刀使い・棒使いは男児です。「精入れ」「精抜き」など、始まりと終わりの厳格な儀礼があります。本家筋と弟子筋の関係が明確です。 なお、両エリアに属さない例外的存在として鶴岡市(旧温海町)の木野俣獅子踊があげられます。 菊地和博『シシ踊り』より引用秋田県湯沢市関口ささら(5頭)東北地方のシシ踊り頭数分布圏概念図弘前市松森町津軽獅子舞(5頭)三沢市岡三沢鹿踊(4頭×3組+1頭)三戸郡名川町剣吉諏訪神社鹿踊(5頭)宮城県亘理町飯南獅子舞(3頭)福島県相馬・双葉郡(4頭・5頭)3頭シシ踊り圏青森県岩手県秋田県多頭シシ踊り圏12頭8頭5頭中心5~7頭6~12頭山形県福島県3頭シシ踊り圏3頭シシ踊り圏宮城県山形県多頭シシ踊り圏例外的存在 5団体

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