さくら物語19号
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いつの時代も、私たちの暮らしを見つめてきた最上川。そして豊かな山々や海。大切な自然や先人たちの知恵、受け継がれてきたものを次の世代に繋いでいくにはどうしたらいいのでしょう。私たちの暮らしを今一度足元から見つめ、一人一人の力を活かすことではないかとフォーラムは考えます。 設立から16年目を迎えた美しい山形・最上川フォーラム。様々な立場の方々が集まり、共に考え活動していくために、地域や業種を越え、幅広く活動するお二人をお迎えし、「山形の今、そしてこれから」のことについて、お話をしていただきました。 16年目の今、見えてきたこと、考えること 横尾(敬称略) フォーラムの活動について、まずはご紹介を。 柴田 フォーラムは、最上川をシンボルとして位置付け、山形県内全域を対象として 活動している団体。環境(Environment)、経済(Economy)、教育(Education)の3Eを キーワードに、現状を把握し、川に親しみを持ってもらうため、環境、文化、経済の 多方面から活動している。16年目に入ったが、山、森、川の環境や海の水質も良く するには長い時間がかかる。改善するためには、まず人が変わらなければいけない。 特に環境教育には力を入れていて、子どもたちが現状を知ることが、親や地域の 大人を変えることにつながり、次世代に継承していける。 継続してゴミを調査してみると(毎年8~10月に行うクリーンアップキャンペーンの集計結果は全国、国際調査にデータを提供)、レジ袋が非常に多く捨てられていた。フォーラムでは、以前会員全 員にエコバッグを配り、県内スーパー等へのレジ袋有料化を働きかけた。また、6年 程前に朝日町の上郷ダムで調査を行ったところ、流木が約3割もあった。その後、3年 間研究会を開催し、流木対策について話し合ってきた。山形県は、ほとんどの市町 村に森があるが、人口減少が進み、木は熟成しても活用されず、流木となるものも多い。 山の木を活かし、流通させるためには丸ごと使用できるようにすることが重要。その ための一例として、公共建築物には木を使用すべきだと、研究会で進言した。今、 山形県では「森林ノミクス」で森を元気にする取り組みが、具体的に予算化され、 動いている。川上から川下まで、生産供給だけでなく、需要も含めて考えることが、 森と麓の人の元気を取り戻すことにつながると、「木を活かす仕組みづくり」にもフォ ーラムとして取り組んでいる。 横尾 私たちの身近な周りには、産業があり、そしてそれは未来につながっていると感 じる。今日は木に関わるお二人がいるので、そのあたりの話をぜひ伺いたい。 |美しい山形・最上川フォーラム|02 山形の今、そしてこれから FORUMTALK 美しい山形・最上川フォーラム会長 話す人 齊藤貴裕 × 須藤 修 × 柴田 洋雄 聞く人 横尾 友栄 株式会社リンショウ専務取締役 デザイナー/LCS共同主宰 美しい山形・最上川フォーラム 最上川文化・地域経済活性化部会副部会長

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