建築士山形 2017 No.97 architect of yamagata
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LLocal Topics支部だよりPage02-10 今年度より、支部長として大先輩方からバトンを渡されたところですが、諸先生の方々の実績や偉大さに改めて感銘いたしました。まだ戸惑いもありますが、お引き受けした以上は、会員各位の皆様のご意見ご協力を頂戴しながら、一歩ずつ前に進めていく所存です。 現在の我が団体も、諸活動は人口減、少子高齢化、後継者不足等の影響を受け、厳しい運営ではありますが、しっかりと地に足を着けて、会員本意の活動を続けていければと考えております。 例えば、「地産地消」の建築版の考え方で「地設地建」を提唱いたします。地元で考えて、地元の設計で、地元の職人が地場産材で建てましょうということで、今後は益々後継者の方が減る一方のなかで大変難しいこととは思いますが、少しでも継続して行くことが大切かなと感じております。 山形県でも「森のミクス」を事業化するとして予算確保の方向と伺っておりますが、我々地元建築士がどんな関わりであれ、是非にでも参画できればと感ずる次第です。 そこでまず、我々は地元の事を、はて?どれくらい知っているでしょうか。ちょっとした歴史や文化、風習、県内でも住む地域で大きく異なる生活環境、これらを先ず、基礎ベースとして蓄積する必要があろうかと思います。 現在私の住んでいる町では、以前より気になっていた、ある建築物が国の登録文化財として認められました。米沢支部では、30年前に一度調査を受託して機関紙「扉」にも掲載しておりましたが、その後担当者も変わったり、文化行政と建築所管の縦割りの中で埋もれている状態でありました。今後は、これを機に「まちづくり」のコアとしての機能を果たし、周辺まで広がりを見い出すことが可能となってきます。 其々に、遺跡や草木塔からはじまり、神社仏閣、茅葺、古民家、明治から近代まで、色々な文化対象物が必ず存在します。地方は大都市圏とは違い、変化が遅い分だけ、古い物が数多く残っています。それを見つけ出して、活かし、拡げていく、そして新しい価値を見出しながら、地域発展に繋げていければ、我々建築士会も役割を果たすことができると考えております。 今年7月には、東京・上野にある国立西洋美術館が世界文化遺産に認定されましたが、ル・コルビュジエの作品-1959年完成ですから半世紀前の建築での登録であります。日本にル・コルの作品があることは嬉しく思いますが、山形県内にも、歴史的な建造物が多くあり(ありました)まだ眠っている状態のものが数多く存在します。これら価値が判らないまま、維持管理や活用を出来ずに年々解体されて行きます。中には、現在は価値がなくても10年後に出てくる価値もあるはずです。なんとか壊される前に眠りから、覚ましてやりたい、そしてもう一度みんなで見てあげましょう。 ここで、建築士会から一般社会へ大きな声で『見いだそう地域文化』、発信しましょう! ということで身勝手なことを書いてしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。 尚、事例写真を掲載しました。高畠・新潟・郡山・上野です。高梨良行 TAKANASHI yoshiyuki米沢支部長建築と地域文化。米沢支部FromPage02TitleNameNumberTAKANASHI yoshiyuki1/9支部だより旧高畠駅舎(昭和3年)新津記念館(昭和13年)郡山市公会堂(大正12年)国立西洋美術館(昭和34年)

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