建築士山形 2017 No.97 architect of yamagata
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当選: たたら~鋳物と共に伝統を取り戻す~(山形工業高校)    遠藤浩輝次点: 夢がいっぱい ハピスマパーク(鶴岡工業高校)    岩本颯斗・梅津稜介・佐藤駿太・佐藤颯也・高山俊作品: 活き生きをつなげる医療(山形工業高校)    安達ひかり作品: 手と手をつなぐ~住人が作る物語~(山形工業高校)    宮林嶺也審査方法 ⒈ 趣旨に沿っているか、独創性があるか(夢、希望) ⒉ デザインと芸術性 ⒊ 地域性をどのように理解しているか、建物のテーマに対する理解度 ⒋ 全体的(機能的)にまとまりがあるか ⒌ 設計の表現力     などを項目ごとに評価し、各10点、合計50点満点で採点評価した 当選作品の一つ“老人の街づくりプロジェクト”については空き家を老人ホームにリノべーションするだけでなく、空き地をコミュニティスペースとして利用し、地域全体を活性化するという発想が面白い。現地の調査もしっかりとしているし設計の表現力も高校生としては高いレベルにある。審査員全員から高い評価を得た。 二つ目の当選作品“たたら ~鋳物と共に伝統を取り戻す~”については着眼点がとても素晴らしく、地域の伝統産業にスポットを当て高齢化した職人と若いデザイナーが集うものづくりコミュニティを提供しようとするもので若者にも職人にも夢のある作品になっている。表現力に物足りなさを感じるが、たった一人で取り組んだものなので今後に期待感がある。 年を追うごとに作品としての表現方法のレベルが向上し、それぞれの作品に独創性がある。地域特性を良く理解しないと計画できない課題も多く、採点する側の理解度を深めるためにも直接本人からの言葉で発表出来るプレゼンテーションの機会を設けるという事も検討すべきではないか。 作品全体を通して地域の中にある「空き家」単独のものではなく、複数のものをどう連続させて、コミュニティをつくりあげていくかという自由な発想で展開しているのが見て取れて、とても素晴らしい事だと感じる。 まだまだ建築を学び始めたばかりの山形県内の高校生、時間的な制約もある中で具体性とか細部の詰めの甘さは当然だが、ここまで仕上げた事に今後大きな成長が期待できる。 最後に建築甲子園全国大会の結果、《老人の街づくりプロジェクト(新庄神室産業高校)》が東北では初の準優勝という快挙を成し遂げた。また《たたら ~鋳物と共に伝統を取り戻す~(山形工業高校)》が奨励賞を受賞したことをここに報告します。 全国大会は78校146作品の中から各予選会を勝ち抜いた54作品からの栄えある受賞。山形県が全国でも高いレベルにある事を証明した。更なるレベルアップのためにも今後とも多数の応募があることを山形県建築士会としてお願いをしていきたい。Page33TitleNameNumber2/2教育事業委員会ICHIMURA kiyokatsu

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