建築士山形 2017 No.97 architect of yamagata
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M 村山の「あんばい・いい家」大賞 設計コンペ第1回目(平成27年度)の開催内容をご紹介します。Page24-25ごあいさつ。志布隆夫 SHIFU takao瀬野和広 SENO kazuhiro村山市長審査委員長 村山市では、平成27年10月に『村山市まち・ひと・しごと創生総合戦略』を策定しました。「産業の振興と雇用の創出」、 「移住・定住の促進」、「結婚・出産・子育て環境の充実」、「安心して暮らせるまちづくり」の4つを戦略の柱に掲げ、魅力ある “まち”づくりを目指し取り組んでまいります。 さて、人口減少を防ぐためには、定住者や当市への移住希望者への総合的な支援が必要であり、ここに住みたい・ここに帰りたいという気持ちを持ってもらうことが大切です。また、雪に対する苦労や悩みから、雪が少ない地域に移り住んでしまう人も少なくありません。 私たちの暮らし向きは、その地域における自然環境の庇護のもと営まれ、そして社会環境を形成しています。今回第一回目となる我まちの家づくりコンペは、正にこの地におけるその2つの環境のあんばいをテーマにして、全国に呼びかけアイデイアを募りました。結果、83点の力作が集い、2次審査会に向けた15点選出の難しさを痛感いたしました。取分け審査員一同吟味したのは、雪との共生をコミュニテイの中にどう活かしたかのアイデイア探しです。無論これは今回のコンペの主要テーマですから言うまでもないことですが、一見それを感じない図案のその裏に、鋭い提案が隠されていることもあります。そこを見落としては応募者に恐縮なので、議論を巻き起こしながら制限時間越えも致し方ありません。通過者15点の公開2次審査会には、一人の欠席もなく、遠くは関西、九州から駆け付けて第1回 村山の「あんばい・いい家」大賞 設計コンペ 募集要項 村山市まち・ひと・しごと創生総合戦略「住みたい、帰りたい“ひと”を増やそう」の実現に向け、村山の「あんばい・いい家」大賞 設計コンペを実施します。 現在、村山市から転出する多くは、雪に対する苦労や悩みから雪が少ない地域に異動するケースが多く人口減少が続いています。 若者の定住、転入者の増加を図るうえで、安い価格で土地を提供し住宅建築を促進する施策をより効果的に進めるため、「雪を考えた住宅」及び「経済性」と「環境への配慮」がバランスよく設計された高性能な住宅建築の設計案を募集します。設計コンセプト 「雪を考えた住宅」及び「経済性」と「環境への配慮」へのバランス。 雪を負のイメージとしない、地域の特性を考慮した新しい雪との共存、共生を取り入れた「雪を考えた住宅」の設計。 「地域の資源を活用した経済的負担の軽減」と「自然環境を活かし環境への負担の軽減」をバランスよく取り入れた設計。こうした状況の中、いつまでも住み続けたい家「あんばい・いい家」の設計を全国より募集し、多数の応募をいただきました。どの作品も当市の特性を考慮し、経済的負担の軽減や環境への配慮が考えられた設計となっております。今回の作品集では、特に素晴らしい作品を選定し掲載させていただきました。この中の設計が皆様の住宅建築に少しでもお役に立つことを期待しております。 今後も「次の世代に引き継ぐ魅力あるまちづくり」のため、将来を見据えた施策を進めてまいりますので、ご指導ご協力をお願い申し上げます。いただき頭が下がります。この場を借りまして応募者の皆様には 改めてお礼申し上げます。さて公開2次審査会は、応募規定の一部ルール変更案を皆様から快諾いただきながら、一人5分という短い時間枠内での素晴らしいプレゼントークは印象深いものでした。見事大賞に輝いた金内・早坂案は、春になれば溶けて無くなる雪を排除するのではなく、家ごと雪に埋まりながらの暮らしを楽しむ利雪案は、比類を見ない、しかし考えればごく当たり前の日常性が審査員一同のゆるぎない一票の結果となりました。残念ながら当該敷地への実施には至っていませんが、今後のコミュニテイとしての埋雪型家づくり実践を期待したいと思います。更にこのあんばいいい家コンペが、回を重ねるごとに村山型家づくりとして、新たな暮らし方文化に発展すべく継続を願ってやみません。Page24TitleNumber 1/2村山の「あんばい・いい家」大賞 設計コンペ

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