建築士山形 2017 No.97 architect of yamagata
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 平成28年11月4日(金)に「まち並見学会in寒河江・西川」の研修会がありました。今年からまちづくり委員会に係わらせていただき、初めて参加しました。 まずは、寒河江市の慈恩寺を拝観、説明を聞きました。桃山時代の様式を残す本堂は、茅葺の補修中でしたが重厚な茅葺が印象的です。本堂には、特に女性には嬉しいご利益があるとされる鋳鉄鉢があり、若返りが期待できるそうです。お堂内の仏像群のほとんどが、国指定や県指定文化財であり、ありがたくも一見の価値があります。見る角度によって見え方が変わったり、海外展に日本代表として出陳されている像もあり、すばらしい彫刻に見入ってしまいました。何度も慈恩寺の近くを通った事はありますが、新たな発見に驚きです。 場所を西川町の岩根沢三山神社へと移します。一晩お世話になった長甚坊さんより説明いただきました。三山とは月山・湯殿山・羽黒山の総称で、それぞれの山頂に鎮座する三神を合祭して三神合祭殿となっており、ひとつの建物に仏堂・客殿・座敷・庫裏等を納めた形の修験道寺院建築の特徴を現代に残す貴重な文化財です。東北地方最大規模の木造建築物と言われるだけあって、建坪492坪のスケールの大きさ、台所の大賄部屋の太さ3尺もあろう8角柱に囲まれた大空間に圧倒されました。クレーンなどの機械がない時代に、どのようにして建てたのかとても気になります。そして、これ程の建物があるにも関わらず、当時は本堂に収まりきれない数の修験者が訪れていたことに三山信仰と歴史の重みを感じました。 長甚坊さんでは、おいしい山の料理をいただきながら、楽しい時間を過ごしました。これまで、神社仏閣にはほとんど興味がありませんでしたが、歴史的建造物という視点では大変興味を持ったところです。地元山形にはまだ自分が知らない素晴らしい物があることをそして、建造物を通して歴史を知ることができました。小出和広 KOIDE kazuhiro From長井支部まちづくり委員会に参加して。Page21TitleNameNumber会員だよりKOIDE kazuhiro11/11

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