建築士山形 2016 No.96 architect of yamagata
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 このたび鶴岡エネルギー懇談会で視察した電力関連施設と工場(日本海LNG(株)新潟基地、東北電力(株)東新潟火力発電所、新潟東部太陽光発電所、水澤化学工業(株)中条工場)のうち、特に感銘を受けた大規模設備であった表記の新潟県企業局直営の「新潟東部太陽光発電所」について紹介します。「再生可能エネルギーであったか~県下最大のメガソーラー施設」 新潟県阿賀野市の豊かな自然の中、異彩を放つ群青色のパネル群。見渡す限りに広がるソーラーパネルは広さにして9,700畳分で、サッカーコート9面とほぼ同じ大きさ。実は此処、新潟県が運営する県下最大の太陽光発電所なのだ。一見普通のソーラーパネルだが、ここの装置は一味違う。季節によりパネルの角度が変わる「雪国型ソーラー」が導入されている。これにより雪が降っても積もらずに滑り落ちるので、冬でも効率よく発電ができる。雪国ならではのこの設備のおかげで、年間2,117メガワットを発電している。ちなみにこれは、一般家庭650世帯の年間消費電力に相当する。「少なくない・・・」と思った人もいるだろうが、施設はまだ進化中で、2015年には、発電量は7.5倍、約8万5,000畳分のソーラーパネルを設置予定。発電した電力は売電。(※視察前配布の当施設の資料より) 既設の施設の内訳は①1号系列:最大出力1メガワット・パネル数4,822枚(三菱)、年間発電電力量:992MWh=約300世帯の年間消費電力量)、敷地面積:約3.2ヘクタール、建設工事費:4億3千万円(連系費用・土地費用を除く)、平成23年10月31日運転開始、夏季(20度)と冬季(30度)で設置角度を変更できる可変(手動式で所要7日間)式架台を採用、太陽を自動追尾する設備(9kW)を併設していたが最近の台風被害でパネルが外されていた。 ②2号系列:最大出力1メガワット・パネル数4,914枚(東芝)、年間発電電力量:1,125MWh(=約350世帯の年間消費電力量)敷地面積:約3.2ヘクタール、建設工事費:4億950万円(連系費用を除く)、平成24年7月1日運転開始。 増設された施設③3号系列は敷地面積約45.5ヘクタール、送電電圧66kV、最大PCS出力15メガワット・パネル容量21.3メガワット(パワーコンディショナーは500kW×30台)、年間発電電力量20,731.940MWh(=約6,000世帯の年間消費電力量)、建設工事費52億8千万円(連系費用・土地費用を除く)、総事業費は約69億円。太陽電池パネルは全て真南向きで設置間隔は3.5m、雪国型気候を考慮しパネルの設置角度は30度、高さは下部で1.8m(落雪を考慮)。運転開始は平成27年7月1日。 ここで発電した電力は全て東北電力に売電(売電価格は契約年によって差がある)。遠方監視制御方式で村上市にある新潟県発電管理センターで監視制御しているそうです。現場には駐車場も整備されており、施設の全容が見渡せる小高い展望広場には「あずまや」やベンチ等があり、憩いの場としても活用できる小公園(障がい者を考慮してか上まで車で行ける)があり、現在の発電量等が表示される電光表示盤が設置されていました。 一見の価値ありと思いました。(事前の申し込みにより、阿賀野市の商工観光課職員が案内してくれます。問い合わせ先TEL:0250-62-2510)斎藤留吉 SAITOU ryuukichi鶴岡田川支部長新潟県企業局直営の「新潟東部太陽光発電所」を視察して。鶴岡田川支部From新潟県企業局・新潟東部太陽光発電所にて・・・(2015.11.11)Page05TitleNameNumber4/9支部だより SAITOU ryuukichi

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