建築士山形 2016 No.96 architect of yamagata
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  5:設計の表現能力 などを主眼に厳正に審査いたしました。 今回は8点の応募がありまして、5点の応募作品に対して1点予選突破として甲子園に送ることが出来ますので、8点の応募ですから、2点選ぶことができます。 当選作品“空き家をつなぐ”は新庄のシャッター通りで閉鎖された空き店舗複数を連結させ、1棟は図書館とカフェにリニューアルさせると共に、もう1棟は4戸住居の中央にウッドデッキで共有コモンスペースを設け、それぞれを街並みの再生とした案です。空き家の個別対応でなく街並みとして捉えたところが評価されました。 もう1点の当選作品“静寂な高なり”は山形の平清水地区に点在する空き家を平清水焼き工房としてとらえ、1棟は平清水焼き作業場、別棟はレストラン・店舗、他棟は宿泊施設等に改築し、リゾート研修施設というイメージでした。千歳山のふもとにある地区で、山歩きの帰りに立ち寄る施設にでもなれば、楽しいと思います。 いずれの作品もそれぞれに地域性を考慮しており、地域のくらしにいかに溶け込んでいくかを真剣に取り組んでいるようでした。 今年で建築甲子園も6年目になるわけですが、例年よりは、課題をよく理解しており、レベルが上がったことを実感出来て期待できる作品も有りましたが、まだ単体として捉えており、1棟だけの提案が半数程度ありました。これには地域性があり、差が目立ちました。各地域の建築士が、高校生に対して指導するような機会があれば良いのではないのでしょうか。 高校生としては、なかなかの出来であると思いますが、全国レベルはまだまだ上に有るのです。指導していただいている先生方にもう1段上の地域性のアドバイスをお願いいたします。さらに、建築士会としても協力することも考えられますので、連携が出来れば良いのではないかと思っております。 これから卒業設計に取り組むわけですから、更なる飛躍を期待したいものです。 最後に県内各高校からの応募が多く来るようお願いしていきたいと思います。Page30TitleNameNumber2/2教育事業委員会NAKAGAWA yoshio

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