建築士山形 2016 No.96 architect of yamagata
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高梨良行 TAKANASHI yoshiyuki From米沢支部「青年建築士にエールを!」第28回山形県建築士会青年大会に参加して。 今年で第28回となりました恒例の青年大会は、長井で盛大に開催されました。不肖、私事ですが、青年委員会歴代委員長として御案内をいただき、参加させていただいきましたが、開催地である長井支部の力強いバックアップの下、長井の青年委員長の小林健治君をはじめ多くの青年部の皆さまのご活躍のおかげで、沢山の中身のある素晴らしい大会でありましたことをまずもって、ここにご報告いたします。 今年のテーマは、『自然 と まち の共生』 ~青年建築士としての関わりを考える~という身近でありながら壮大である命題に対して、長井はまさに合致した開催地であったと思います。 主催の山形県青年委員会および青年委員長 五十嵐直哉君のとりまとめ実行力、指導力に感謝と敬意を申し上げます。特に五十嵐委員長のあいさつの中では、自然と人々の生活の中で、土・水・空気・森林・海を掲げ、置賜地方に残る『草木塔』を例に出されて、日本人の持つ感性の素晴らしさを説き、自然との共生を将来に渡って考えるべきとされました。 全体のプログラムは、見学会、式典、講演会、懇親会という構成でタイトなスケジュールではありましたが、実行委員の長井の方々のご努力にて完璧に遂行されました。 式典に於いては、平吹和之会長はじめ、近県より青年委員会の委員長も迎えた他、地元長井の内谷市長も御公務多忙の中ご臨席をいただきご祝辞を頂戴し、大会を盛り上げていただきました。 やはり、常に建築士会を気遣っていただき、まちづくりにも意見をいただきたいとのことでありました。尚、市長さんには、この後の講演会並びに懇親会までご参加いただき、会員諸君と交流を深められました。 式典の前には、見学会ということで、10月にグランドオープンした、ご存じ「南陽市文化会館」を見学し、大規模木造耐火建築ということで、日本各地から視察が絶えない状況の中、士会会員である、安部(南陽市文化会館建設主幹)君の説明を受け、帰りはまた、フラワー長井線を活用して会場に戻るという演出付きでもありました。 さて、この大会の中で、特に印象深かったのは基調講演で、長井出身であり、山形市でご活躍なさっています若手建築家の渋谷達郎氏の『木と森/風景を生かす建築』というテーマと題しお話しを頂戴いたしました。 中でも、‘建築は縛られるもの’とばかり考えていたが、自然豊かな山形での設計活動を通して、‘建築はまちを変えられる力’があること再認識したとのことでした。 作品としては、常に風景を考え、持続可能なデザインの実現を目指し、処女作となった「白鷹の家」(日本建築学会東北支部 東北建築賞作品賞 受賞)は見事なまでに先生の信念を貫いた建物でありました。風景・四季・人・住まいを完璧に融合されたその形・機能・質感には、頭を打たれたような、心に響くような、なんともいえない満足感もえられた感がありました。 最後になりますが、懇親会でも生演奏、出し物やゲーム等盛りだくさんであり、青年委員会一番の力の見せ所でもありました。これらは、経験上ではありますが、伝統を守り受け継いでくれて感謝でありました。すでに十年以上経過しましたが、これだけは変わらないと思いながら、なぜか懐かしく感じられ、出席された青年建築士は、これからの山形県を背負う建築士として、また次の時代の担い手としてふさわしい方々と確信した次第でした。 これからも、自由闊達、大いに羽ばたき、若い感性を活かした「青年委員会」がより以上に発展することを切望し、ここに大きなエールを送り筆を置かせていただきます。 山形県建築士会青年委員会の皆様、お疲れさまでした。そして大変ありがとうございました。Page12TitleNameNumber会員だより2/7TAKANASHI yoshiyuki

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