建築士山形 2015 No.95 architect of yamagata
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EEducation Project Committee教育事業委員会Page37 当選作品“かりがね城伝説”は東根の長瀞地区城跡の堀周辺に集落を設定している。“かりがね“とは「雁」のことであり、V字型で群れをなして飛ぶ雁をイメージしており、集落もV字型でそれぞれが2戸建て長屋形式で中央通路を共有スペースとして活用している作品です。単体でなく、地域を根ざしている住まい、共有通路を住まいの屋根の延長として、雪、雨を避け、通風、採光等にも利用している事等も評価された点です。 次点の“支える家”は紅花の里谷地に建つ住まいで、2階の大きなベランダで紅花栽培をしながら生活をしている住宅で、ベランダには開閉式のドームが有り、床スラブの下は水槽タンクになっており、祖父母が安心して暮らせるよう、配慮した作品です。 “山形に根付いた家”は老人ホームの向かいに畑付の2世帯住宅を建てて地域との交流を深めるとの設定でした。 いずれの作品もそれぞれに地域性を考慮しており、地域のくらしにいかに溶け込んでいくかを真剣に取り組んでいるようでした。今年で建築甲子園も5年目になるわけですが、例年よりは、課題をよく理解しており、レベルが上がったことを実感出来て期待できる作品でした。 高校生としては、見事であります。ですが、そこから組み立てられるプラン造りにまだまだの未熟さを感じます。吹き抜けを楽しい空間として表現するとか、自然の光、風等をもっと巧みに取り入れる等の配慮があれば良かったと思います。 これから卒業設計に取り組むわけですから、更なる飛躍を期待したいものです。 最後に県内各高校からの応募が来るようお願いしていきたいと思います。 同じテーマで最後になるかも知れないが、今年も例年と同じ5回目になる“地域の暮らし”でした。これまで自分の廻りしか知らなかった高校生達が、互いの考えや同世代の広がりを知った事ではないでしょうか。地域のくらしは自分たちだけの問題ではないこと、同時に面白い発想や表現をするライバルがいることも実感しただろう。審査した我々は今年の高校生達は結構やるんじゃないか、入賞ラインに届くんではないか、という思いをしている。 第5回(2014年)建築甲子園 県予選審査会を平成26年11月18日(火)午後2:30分より山形県高度技術開発センターにて行いました。今回は県内で山形工業高校3点のみので少なかったのが残念でした。 審査には県建築士会の理事と教育事業委員会で行いました。審査結果当選: かりがね城伝説 板垣 直斗 (山形工業高校) ~堀と土間から生まれるコミュニティ~次点: 支える家 後藤 芹菜 (山形工業高校)作品: 山形に根付いた家 伊藤 豪紀 (山形工業高校) 高橋 潤 林 享祐審査の方法 1:趣旨に沿っているか・独創性があるか(夢・希望) 2:デザインと芸術性 3:地域性をどのように理解しているか・建物のテーマに対する理解度 4:全体的(機能的)にまとまりがあるか 5:設計の表現能力 などを主眼に厳正に審査いたしました。第5回 建築甲子園 県予選審査会燃えろ!建築甲子園 “地域のくらし”中川善雄 NAKAGAWA yoshio教育事業委員会 委員長平成26年11月18日(火)14:30Page37TitleNameNumber1/1教育事業委員会NAKAGAWA yoshio
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