建築士山形 2015 No.95 architect of yamagata
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ろが、一面こんな状態です。除染が手つかずで荒れ放題なところは、セイタカアワダチソウが生え放題。一時期、この辺一帯はこの雑草のせいで、黄金色にみえたということです。ナウシカもびっくりです。 国道6号線からの脇道には全てバリケードが設置され、自由に行き来は出来ません。街や建築物は大震災の被害を受けたそのまんまで残っています。時間が止まっているってイメージがぴったり。。人が住めないし居ないのだから仕方ありません。「まち」が朽ちていき、そこにペットだった犬や猫、牛やダチョウまでが闊歩して、食べるものが無くなりやがて土に還っているという、凄まじいほどの現実がこの3年間であったわけです。。 このマップは福島県のHPにある、放射能測定マップです(ちょっと一部を借用しました)。福島県内には数多くのモニタリングポストが設置され、リアルタイムで放射線量を測定しています。 バスの車中では携帯型の測定器にて、「この辺は15μSvです」とか、放射線の空間線量を教えてくれます。山形県内では普段は0.05μSvとかですし、福島市や郡山市でも1~2μSvなので、聞くとちょっとドキッとしたりします。 原発構内での見学内容は、身体に放射線被爆の積算計を付けて、靴カバーとマスクをして、バスでぐるりと回っただけですが、目の前にある巨大でしかも半分壊れているものが、一時は日本、あるいは地球全体を恐怖に陥れた建築物だったのかと思うと、本当に鳥肌モノでした。最悪な場合、東日本全滅なんてこともありえた訳ですし。構内にはホットスポットみたいな部分もあり、「ここはちょっと高いですね。150μSvです」とか言ってました。。バスから外には降りませんでしたが、今ここでまた巨大地震が来たらどうしよう??なんてのも考えちゃうレベルでした。(まあ、胃のバリウム検診なんかは1回受けりゃあ、15,000~20,000μSvなのですけど) 汚染水対策、凍土壁、原子炉建屋の保全をどうするかは検討段階、そしてメインの炉心がどうなっているのかは未だ誰もわかおらず、検討も想定の中でしかできません。ロボットすら入っていけないわけですから。。とにかく、事故から3年経って、ようやく4号機の使用済み核燃料の移設が終るかなってところのようです。ネットなどから聞こえてくるいろんな情報をみてみると、これまでの廃炉作業にかかったお金は、3年で約9600億円、これからの廃炉作業に、30~40年かかるということで日本はこれから、途方もない時間とお金を、有るものを無くする為だけに費やさないといけないことだけは確かなようです。Page22TitleNameNumber会員だより7/9KIMURA kouichi

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