建築士山形 2015 No.95 architect of yamagata
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木村光一 KIMURA kouichi From天童支部これから40年もかかるであろう廃炉作業の見学。 今年の建築士全国大会は郡山市で行われたのですが、大会の案内が載っている「建築士」の5月号に、極めてレアな交流セッションの案内が出ました。「福島第一原子力発電所の廃炉作業見学」。。こんなの、後にも先にも見学できる時なんか無いがな。。と思い、20名限定のツアーに応募したのですが、当たるわけないと思ってたら、しばらくしたら通知が来てしまいました。しかも天童支部からは3名参加というびっくりな事態に。。 メールで送付されてきたツアー内容PDFには、いろんな制約や条件が記されておりました。顔写真入の身分証明書持参じゃないと入れないこと、核防御のセキュリティ上、撮影は禁止とのこと、一部高線量の場所を通ることがあることなど。。当然ですよね。世界に名を知らしめることになってしまったフクイチな訳ですから、テロ対策などは至極当たり前、被爆についても自己責任でお願いしますよとのことなのでしょう。 さて、郡山駅を10時に出発したバスは、磐越道通っていわきJCTから常磐道を北進しました。いわきには何回か来ていましたが、原発事故以来、北進車線は初めて通ります。常磐道を降りて広野の火力発電所近くに、今もたくさんの人や物の作業拠点となっているJヴィレッジに着くことになります。 敷地内にある仮設テントの中でいろんな説明を受け、運転免許証の本人確認と引き換えに通行証をもらいます。 昔、まだ放射線量が高かった頃は、見学する時も20km離れたここのJヴィレッジで着替えて行ったらしいですが、最近は作業する人が着るぐらいらしいです。誤解してる方が多いのですが、この白い防護服は防塵の為の素材(タイベックス)であり、放射線を遮蔽するものではありません。現場の放射性物質が付いた埃などを、外部に持ち出さない為の防護ということで、一回使ったものは二度と使わずに処分されるということです。 試しに着てみましたが、マスクをするとよく聞こえないのと、当たり前ですが息苦しいです。この格好で暑い中、積算放射線量が規定値越える前に作業しなきゃあいけない現場の方々は本当に大変だと思います。 一通り説明を受けたあと、ここからは東京電力さんのバスに乗り、福島第一を目指します。以降は写真撮影NGということなので、写真は撮ってありません。今年の9月15日から、国道6号線周辺を除染し車は通れるようになりましたが、窓は閉めて通り抜ける、原則駐停車禁止などの制約が付いているようで、まだまだ全てが不自由です。 途中見るのは除染で出た黒い袋の山です。また、別の所ではそれを覆っている緑のシートの山。緑豊かな田んぼだったとこPage21TitleNameNumber会員だより7/9KIMURA kouichi

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