建築士山形 architect of yamagata 2014 No.94
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3.工事の概要 当工事の免震システムは、天然ゴム系積層ゴム支承16基、鉛プラグ入り積層ゴム支承14基、弾性すべり支承30基で構成されている。これらの免震装置を基礎免震として、既存基礎下部に設置する。施工手順を以下に示す。STEP1①掘削:外周部および地中梁下と基礎下の一部(端部)を掘削。②建物仮受(地中梁):H鋼、油圧ジャッキにて基礎-基礎間を仮受(1次仮受)。③建物下掘削。④マットスラブ構築⑤建物仮受盛替(基礎柱):基礎下に油圧ジャッキを設置(2次仮受)。 1.はじめに 当該建物は、黒川紀章が独立して間もない頃に設計した建物で、近代建築の記録と保存を目的とする国際学術組織「DOCOMOMO」(本部・パリ)の日本支部における「日本近代建築100選」に選定されている。3階から上部の床が外に大きく飛び出している形状が特徴的で、この3階の床を屋根のトラスから高張力鋼で吊る構造となっている。1階が議場、2階が市民窓口、3・4階が執務室である。本工事は、1967年に竣工した寒河江市役所を免震レトロフィット(基礎免震)で耐震改修する工事である。この建物の外観を損なうことなく、市庁舎の機能を維持させたまま工事を行う「居たまま改修」を実現するため、安全面、工期短縮、VEの観点から様々な提案を行いながら工事を進めている。 ここでは、免震レトロフィット工事の概要などについて紹介する。2.工事概要 工事場所:山形県寒河江市中央一丁目9番45号 発注者:山形県 寒河江市 設計者:株式会社黒川紀章建築都市設計事務所 施 工:戸田建設・高松木材特定建設企業体 作業所長 阿部 寛 工 期:平成24年 8月 1日 ~ 平成26 年 3月31日 構造規模:RC造 地上4階、塔屋1階 :基礎免震 敷地面積:9,996.9㎡ 建築面積:1,512.5㎡ 延床面積:4,611.5㎡From戸田建設・高松木材特定建設企業体寒河江市役所庁舎耐震改修免震工事の施工紹介。写真-1 建物全景SSpecial Topics特集Page22-25図-1 施工手順Page22TitleNameNumber戸田建設・高松木材特定建設企業体1/4特集
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