建築士山形 architect of yamagata 2014 No.94
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髙橋明大 TAKAHASHI akihiro From村山支部地域貢献活動 「街なかサロン」事業参画 報告。 私達の建築士会村山支部青年部は、三市一町の広域建築士会の中、構成員10名程度の小さな部会です。これまで先輩諸兄より脈々と紡がれてきた伝統を誇りに、建築士として地域に貢献できる活動を目的とし実践して参りました。 しかしながらこれまで地域貢献活動を実践する際においては、個々の建築士会が単独で企画立案し、事業費も限られた中で知恵を絞り合い大きな時間と労力を費やすケースが多く、そう言った事業展開の場合、小規模の建築士会支部は体力的に資金的に厳しいのに加え継続性に大きな課題を抱えていたのも事実でございました。 そこでここ数年は、地域貢献活動において我々が出来る事を無理なく継続して実践し地域に貢献するために「何かをしなければ」→「持っているモノを持ち寄り必要な新しいモノ創造へ参加」に切り口を換え、新たな地域実践活動の下地作りとして、対外的な事業を行う際に積極的に、他団体のイベントなどへ参加し交流を増やし、商工会祭・市内ラーメン祭り・イベント等に住宅無料相談ブース出展、メンバー個々のつながりから青年会議所や行政他らと情報交換行ってきました。そんな折に街なかサロン実行委員会へ参画依頼を頂戴したのです。 「街なかサロン」とは、高齢者及び障がい者等、交通弱者・買い物難民と呼ばれる公共交通機関の利用が困難な住民の外出支援に関わる円滑なサービス提供を図る為に、社会福祉法人 村山市社会福祉協議会を実施主体とし、村山市長を委員長とする「街なかサロン実行委員会」を組織し、主に高齢者・障がい者の閉じこもり予防と生きがいづくりのための外出拠点を整備し、過疎化する商店街の活性化にも寄与するねらいとして展開された事業です。 私たちは、この度の事業のシンボルでもあるベンチ、テーブル、看板・ステッカー等 の製作に参加ベンチ、テーブルのデザイン詳細設計・製作を担いました。また看板・ステッカーのデザインは市報他、市内楯岡地域の小・中・高校へ募集依頼をし実行委員会で選考し決定したものを市内看板製作会社が製作など、市民皆で創り上げる事業となりました。 事業の独自性、期待される効果として①高齢者等の閉じこもり予防と生きがいづくりのための外出拠点が整備される②企業の地域貢献事業として継続できるように支援し、商店街の活性化に寄与する③社協で既実施している外出支援サービス・タクシー利用サービスとのリンクを図り住民主体の地域福祉事業として効果的に進める④本事業の継続的な実施により「だれもが安心して暮らせるまちづくり」への市民の意識が持続し、住民主体の見守り活動がさらに強化される。等と言ったものが挙げられます。 現在、6月1日のオープニングから約半年ほど経過した「街なかサロン」事業は、この度補助金を助成して頂いた、赤い羽根「地域の新たな支えあい」基金事業モデルケースとして展開されて行く事が予定(全国2例目)され、また更なる相乗効果を呼ぶために、既に村山市社会福祉協議会を中心に展開されている村山市地域高齢者見守り支援体制構築事業との並行実施の決定。及び国が2025年度までに確立を目指している新たな地域毎の介護支援の体制への足掛の事業として進行する事になりました。 2025年介護ヴィジョンの中には、「住まい・住まい方」のカテゴリーが、大きな柱として位置づけられており、既に介護をする側からは、住まいや住まい方における明確な方向性が示されていますが、これまでのそれらニーズの受け皿は個々の業者への直接依頼が主で、なかなか介護する側のイメージ通りにいかないのが現状であった様で、「街なかサロン」の事業を切掛けに、建築士会村山支部は、それら介護の現場における建築に関するブレイン、諸問題解決の受皿として機能して行く事が求められました。建築士が介護のプロフェッショナルと連携して行く事で、これまでの問題点の飛躍的な改善と今後の介護の在り方における発展に大きな期待を寄せられているのです。 今年度、実際に関わったベンチの企画デザイン設計製作です。でも様々な団体と得意な分野を持ち寄って行動した結果このような想像を超える大きな広がりが生まれました。 実際に肌で感じた経験を生かし、今後私たちは建築士会を顔の見える実践団体としてPRして行くと共に、自分達の得意なフィールドで、これまで関わるのが難しいとされて来た分野において大いに地域貢献を実践していきたいと考えております。Page13TitleNameNumber会員だより3/7TAKAHASHI akihiro
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