建築士山形 architect of yamagata 2014 No.94
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 最近の支部の事業は、講習会又は研修・視察等の部分でも「耐震」「省エネ」に具体的なテーマを置いて実施してきています。日常耳にする話でも山形県の耐震化がなかなか進まないこと、又一方では再生可能エネギーへの様々な取り組みが先進的に試みられていること等が報道されています。そのような状況のなか、本年度の事業に関わる事柄について報告させて頂きます。ここ数年来支部管内の自治体においても木造住宅の耐震化の促進に関わる制度の整備、事業が立ちあげられてきました。現状では各自治体ごとに建築士を募集し、一定の講習の後、耐震診断士として登録した方の中から選任し委託するかたちをとっているようですが、昨年来、長井市から、診断士個人ではなく「協会」のような組織と業務委託契約をしたい旨の相談を受けました。登録されている方のほとんどが建築士会の会員であったことからのご指名だったようで、支部役員による協議を経て総会承認を得たのち、登録されている方の了解のもと本年度「ながい木造住宅耐震診断士協会」の設立となりました。今後支部としては協会をバックアップするというスタンスで関わって行きたいと考えております。又、設立準備段階におきましては山形支部の石山徳昭氏よりアドバイスいただきました。誌面にて感謝申し上げます。 次に、本年度支部管内において再生可能エネルギーへの取り組みという分野で二つのプロジェクトがスタートしました。ひとつは「ながいおひさま発電所」によるメガソーラー施設、もうひとつは、「野川土地改良区」による農業用水活用型小水力発電施設です。原子力の代替エネルギーを考える意識啓発を含めて研修・視察を実施いたしました。残念ながら小水力発電所については、全国的に需要過多なのか機器の納入が間に合わないということで実現しませんでしたが、次の機会にと考えています。メガソーラー施設については、県内最大級の年間発電量175万kw/h規模で6552枚のパネルが並ぶさまは壮観でした。尚、電気は6600vに変圧して直接送電(売電)しているとのことです。 以上二つの事業に関わる報告を書かせていただきましたが、共通していることは、いずれも国家的プロジェクトとして待ったなしのテーマであること、そしてその未来は国民(民間力)がいかに身近な問題として(又はビジネスとして)とらえることであり、今後我々もそのことを意識しながら、日々の活動や仕事に取り組んでいきたいと思います。 最後に、全国大会「しまね」に支部の仲間4人で参加してまいりました。詳細は他の方からもいろいろな報告があると思いますのでここでは省きますが、翌日60年ぶりとなる本遷宮が行われた出雲大社に参拝して参りました。なにせ当地では神在月のこと、観光客の人波に押されたどり着いたのは本殿はるか手前の「八足門」まで。残念ながら肝心の本殿は「楼門」の陰になり軒先がわずかに覗く程度でした。出雲大社のしきたりにより二礼四拍手一礼の作法にて参拝。拝殿の脇に大屋根の改修模型が展示してありましたが、わずか1ミリ足らずの檜皮葺きであの厚みに造るまでの作業を想像すると、伝習の技は勿論のことながら「信仰の力と世界遺産」恐るべし……。金田 巌 KANEDA iwao長井支部長平成25年度支部たより。長井支部FromPage09TitleNameNumber支部だより8/9KANEDA iwao

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