クローバー46号 平成29年10月15日発行
3/6

032017・10・15診察室48キノコにご用心食欲の秋、キノコは代表的な秋の味覚です。ただし、キノコによる食中毒がよく発生する時期も秋とされています。日本には約4、000から5、000種類ものキノコが存在しているといわれています。このうち、食用とされるキノコは約100種類、毒キノコは200種類以上、それ以外はよくわかっていません。毎年発生しているキノコ中毒の種類は、それほど多くなく10種類程度です。報告の多い毒キノコは、ツキヨタケ、クサウラベニタケ、カキシメジの3種類で、山形でもツキヨタケとクサウラベニタケで8割を占めます。これらのキノコは、食後数十分から数時間で消化器症状(腹痛、下痢、嘔吐)が出現し、典型的な食中毒症状に類似するため、キノコが原因と判明しやすいのですが、毒キノコの中には一風変わった症状が出現するものもあります。その1つが「ドクササコ」です。名前からして怪しいですが、食用のホテイシメジ、カヤタケと間違われやすい外観をしています。ドクササコは摂取してもすぐに症状はでません。消化器症状はまれで、数日経過してから手足の先端が赤く腫れ、ものにも触れないぐらいの激痛が生じ、それが数週から数か月続くといわれています。典型的な食中毒症状ではないので毒キノコを摂取したと気づかないケースが多々ありますのでご注意ください。キノコの鑑別は大変難しいものです。不確かな野生のキノコは、「採らない、食べない、人にあげない」がキノコ中毒を避けるポイントです。キノコは倒木や切り株によく発生することから「木の子」といわれるようになり、森の恵みとして親しまれてきました。安全に秋の味覚を楽しんでください。当院では、3市の消防本部に所属している救急救命士の就業前実習、就業後の再教育並びに気管挿管病院実習を受け入れ、医師の指示・指導のもとで、技術の習得と向上を図っています。平成29年9月12日より、東根市消防本部が再教育実習の一環として、これまでの実習に加えて、週に1回「派遣型救急ワークステーション」の形で実習を開始しました。これは、消防本部から病院に派遣された救急車と救急隊員が、平常時は病院内で実習を行い、救急要請があった場合は病院から直接現場まで出動する体制です。このワークステーションを活かすことにより次の様なメリットがあります。救急隊にとって◦医師から実践的な技術や観察テクニックを学ぶことができる。◦医師や看護師とのチーム医療により、院内スタッフと顔の見える信頼関係が構築できる。◦継続して研修することにより、病態の経過を含めた総合的な研修ができ、救急隊全体のレベルアップが期待できる。医療機関にとって◦救急隊の技能などを把握し、適切な指示を出すことができる。◦医療機関と救急隊との連携した医療体制が確立することで、多数の傷病者が発生する災害時などでも、円滑な対応をとることが期待できる。◦緊急時には医師や看護師が同乗することもできる。市民の皆様にとって◦救急隊員の資質が向上し、救命率の向上、後遺症の減少に繋がる。◦安心で安全なサービスを受けられる。救急隊員が行う病院実習に皆様ご理解とご協力をお願い致します。神経内科医長中嶋 信人「派遣型救急ワークステーション」実習を行っています山形県メディカルコントロール指導医 脳神経外科 國本 健太

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る