クローバー第39号 平成27年7月1日発行
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 3月に各病棟のナースコールシステム(患者さんが看護師を呼び出すシステム)が新しくなりました。これまでは、設備の老朽化による不具合がたびたび発生し、患者さんの声が聞き取りにくいなどご迷惑をおかけすることがありました。 新しいナースコールシステムは、廊下にある表示灯が明るくきれいな液晶タイプに変わりました。文字も大きく読みやすく、併せて、電子カルテと連動し、最新の情報を表示できるようになりました。 また、看護師が携帯するPHSでどの患者さんがナースコールを押しているかすぐに確認できるため、より迅速な対応ができるようになりました。 システム本体には停電や災害時にも支障なく対応できるように、大型で長時間のバッテリーを搭載しています。 患者さんに「まごころと安心・安全な看護」を提供するツールとしてナースコールを有効活用していきます。ナースコールが新しくなりました。ナースステーション内表示灯病室前表示灯ナースコールブレスコール(息を吹きかけて呼ぶタイプ)022015・7・1 いきなりですが、みなさん、放射線診断医という仕事をご存じでしょうか。あまり聞き慣れない言葉だと思います。 一言で言うと、撮影した画像を分析する医者です。レントゲン検査は手軽ではありますが、詳しく調べるためにはやはりCTやMRIなどの検査が必要となってきます。この撮影した画像を詳しく調べていくのが、放射線診断医という仕事です。 さて、今話したCTやMRIの違いが分かる方はいらっしゃいますか。どちらも、見た目はすごく似ていて、体を輪切りにした画像を撮影する機械ですが、最大の違いはX線(放射線)を使っているかどうかです。その違いを簡単ではありますが、一緒に見ていきましょう。 まずCTですが、これはX線を使用します。 特長としては、とにかく細かいところまでよく見える機械です。1ミリ程度の病気も診ることが出来ます。普通に撮影しただけでは輪切りの画像しか見られませんが、パソコン処理すると、頭蓋骨や手足の骨など立体的な3D画像として表示することも出来ます。また、造影剤という薬を注射することで、さらに詳しく臓器や血管だけを見ることも可能です。ここ数年の医療技術の進歩により、常に動き続けている心臓の血管も見ることが出来るようになりました。これは本当にすごいことです。 次にMRIですが、特長は、強い磁石を使って、体の中がどうなっているかを調べる事が出来ることです。発症して間もない脳梗塞などに非常に有用で、CTでは見えにくい関節の状態などを見るのが得意です。ただし、撮影には30分ほど時間がかかってしまいます。 さらに、核医学検査(RI)という検査も存在します。これは、とても弱い放射線を出す薬を注射し、その薬が体の中にどう集まってきたかを調べる検査です。例えば、腫瘍に集まってくる薬を注射すれば、その病気の場所が一目瞭然なわけです。副作用はほとんどなく、病気によっては非常に分かりやすい検査です。 医療技術が進歩したおかげで、いろんな情報を調べることが出来るようになったのですが、その反面、一度のCTやMRIで数百枚から数千枚の画像を見なくてはいけないこともあります。これを一枚一枚診断するのが、冒頭にも触れた、私たち放射線診断医の仕事でもあります。 病院における画像の技術は、日々進歩し続けています。ちょっと昔まで、CTもMRIもなかった時代もあった訳ですから、それを考えると今のこの技術力は驚愕に値しますよね。これからも新しい技術はどんどん開発されていくでしょう。どうなっていくのか、私も楽しみです。ここまで判る  画像検査放射線科医長豊口 裕樹健康講座から

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