クローバー第34号 平成25年10月15日発行
2/6
02クローバー2013.10.15治療前治療後③風船を拡張させ、狭窄部をおし拡げます。ステントを留 置する場合、ステントも風船と一緒に拡がります。中外製薬社パンフレット・ 心臓カテーテル検査より許可を得て転載④風船をしぼませてからカテーテルとワイヤーを抜きます。 ステントは狭窄部に拡がったまま残ります。治療前治療後図1図2図3【カテーテル治療: 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)】【冠動脈の閉塞血管に対する 経カテーテル治療】【下肢の狭窄血管および閉塞血管に対する経カテーテル治療】 当院ではこれまで専門的検査治療である心臓カテーテル検査・カテーテル治療が十分出来なかったため心臓疾患の患者さんは山形市内の病院へ紹介していました。2012年に診療機器が整備され、本年度より山形大学の派遣で循環器内科医師4名が赴任したため当院でもカテーテル検査・治療が行える様になりました。 心臓カテーテル検査は、カテーテルという2㎜程の細い管を手首または足の付け根から挿入した後、心臓の栄養血管(冠動脈)へ運び血管撮影を行う方法で、狭窄や閉塞が診断できます。狭窄・閉塞へは経皮的冠動脈インターベンション(PCI)というカテーテルを用いた治療を行います。病変を風船で拡げステントという金属製の網目構造の筒を挿入し再開大・再疎通を行います(図1)。これにより本年7月より胸痛患者の救急搬送の受け入れも可能となり、山形市内まで搬送しておりました急性心筋梗塞の患者さんを当院で受け入れ、より早い段階でカテーテル検査・治療を行う事が出来る様になりました(図2)。また、繰り返す胸痛や階段や坂を駆け上がったりした時に生じる胸痛も狭心症という冠動脈が狭くなる病気の可能性があり心筋梗塞と同様にカテーテルで検査・治療が可能です。更に閉塞性動脈硬化症という足の動脈の狭窄・閉塞で起こる病気にも力を入れています。足が痛いという症状のため見過ごされがちですが、悪化すると下肢潰瘍・壊疽で切断に至る場合もあります。糖尿病、高齢者、喫煙者、脳梗塞を有する患者さんで危険が高く、心筋梗塞・狭心症の合併も多いため早期発見早期治療が勧められております。この病気も心臓と同様にカテーテルで検査・治療が可能(図3)です。病気は両手両足の血圧を同時に測定するだけで診断がつきます。 このように当院でも専門的治療が出来る様になりましたが、当院の主な医師派遣先である日本医大からの内科医師派遣が撤退となり、内科全体の医師不足は続くため現在の医師数では診療時間外は未だ受け入れが出来ない状況にあります。現在の所診療時間内のみの受け入れとなりますのでご理解の程よろしくお願い致します。 循環器内科 金子 一善当院の循環器診療〜カテーテル検査とカテーテル治療〜カテーテルスタッフ一同集合写真
元のページ