クローバー第33号 平成25年7月1日発行
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02クローバー2013.7.1 金谷副院長の話にもあるように、心臓の病気にならないために、日頃から生活習慣には十分気をつけて頂きたいと思いますが、万が一そうなってしまった場合、当院では心臓にカテーテルと呼ばれる血管に入る程の細い管を使用して、心臓の血管(冠状動脈)の検査と治療が行えます。またそれに伴い4月より生命維持管理装置が2機種導入されましたのでご紹介します。1つ目は経皮的心肺補助装置(PCPS)という、心臓の役割をするポンプと肺の役割をする人工肺を使用して豊富な酸素を含んだ血液を体に戻す機器です。2つ目は大動脈内バルーンパンピング装置(IABP)という、大動脈(体内で一番太い血管)の中に風船のついたカテーテルを入れて、風船を膨らませたり縮ませたりすることで心臓の働きを補助する機器です。当院ではこれからもこのような最新の医療機器を導入し、地域の皆様に安全で安心な医療を提供していきたいと考えております。   (臨床工学室 齋藤 祥樹) ドイツの詩人・作家のゲーテは健康訓として次のように述べています。「済んだことはクヨクヨしない、腹を立てない、今この時間を楽しむ、未来を神にまかせる」(処世のおきて)なるほどと思う反面、そんなことはわかりきっているよと思う方もいらっしゃると思います。この「わかりきっていること」を、きちんと行うこと。ここに健康で過ごすためのカギがあります。 日本人の死亡原因は1位がガン、2位が心臓病です。しかし、30歳から65歳くらいまでの働き盛りの男性に限っていえば、1位が心臓病、2位がガンと心臓病とガンの順位が逆転します。また、病気の苦しみを調査した結果では心臓病が一番苦しいという結果でした。こういう話を聞くと誰だって心臓病にはなりたくないと思いますよね。では、心臓病予防の要(かなめ)は何か?というと「しょっぱいものを食べないこと」「血圧を正常に保つこと」この2つが非常に重要な要素になります。 私たちが健康であるかどうかは、これまで歩んできた人生と重なります。植物がそのおかれた環境にあわせた形態をもっているように、人間もその周りの環境に影響を受けます。 残念なことですが、山形県は高血圧症の患者数が全国1位です。県民性としてしょっぱいものが好きだということは、醤油の購入金額が全国トップであることからも見て取れます。そして、こういう環境にあっても「高血圧にならないようにするためには、塩分を控えなくてはならない」ということは、ほとんどの皆さんが理解していると思います。でも、この「わかりきっていること」ができずに、ついつい、しょっぱいものを食べてしまう。塩分をたくさん取りすぎると高血圧をまねきます。ここに問題があります。さらに、心臓病の危険因子として喫煙、高脂血症(脂質異常)、糖尿病があげられます。これに高血圧症を加えた四つの要素がそろうと、そうでない人の36倍心筋梗塞になりやすいというデータがあります。高血圧症や、高脂血症(脂質異常)、糖尿病などは生活習慣病と呼ばれます。「生活習慣」まさに人生そのものといえると思いませんか? 医療の歴史は、飢餓、怪我、出血、感染、免疫アレルギーとの戦いの歴史でした。これらの脅威から解放された現代ですが、人間の遺伝子レベルでは縄文時代の人間とさほど変わっていません。人間の体は飢餓に備えて栄養を蓄積する働きが強かったり、本能的に塩分をほしがったりします。食べ物が豊富にある現代ではこういうことが裏目に出てしまい健康を損なう原因となってしまいます。今放送している大河ドラマふうにいえば「体に悪いものは(誰が何といっても)体に悪いのです。」といったところでしょうか。これを機会に普段の生活習慣を見直してみてはいかがですか?そこに心臓病にならないためのヒントがあるはずです。 追記 サプリメントに頼るより運動しましょう!最近の健康講座から3月12日に開催した内容をご紹介します心臓病にならないために最新医療機器を 導入しました副院長内科 金谷  透

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