クローバー第32号 平成25年2月15日発行
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32013.2.15 平成23年7月、人工呼吸器関連死亡が発生しました。92歳女性、人工呼吸器使用中、気管カニューレ先端がずれて亡くなりました。ご冥福をお祈りするとともに再発防止策を実施しています。平成23年度発生した公表基準に該当する医療関連事故はこの1件です。 平成11年患者取り違え事故(横浜)、消毒液誤注射事故(東京)をきっかけに、国が医療安全対策に乗り出しました。当時米国で出版された『人は誰でも間違える(安全な医療システム構築)』には、医療上のミスにより年間全米で交通事故死より多い4万4千から9万8千人が死亡していると記載され、諸外国でも医療安全対策が開始されました。この年が『医療安全元年』と位置づけられています。 医療現場は常に危険に満ちています。同姓同名者の誤認、本質的に危険を伴わざるをえない診療行為、薬につきものの副作用などすべて危険をともなっています。当院でも平成16年に医療安全規定を設け、平成18年からは医療安全管理者1名を専従させ、事故防止に努めてきました。このような対策にもかかわらず発生した今回の死亡を真摯に受け止め、平成24年度を『北村山公立病院医療安全元年』と位置づけ、新たな医療安全対策を実施しています。 しかし、病院対策には限界があり、安全な医療をうけるためには皆様の協力も必要であると国は示しています。研究班が示した医師にかかるための10箇条を紹介します。①伝えたいことはメモして準備 ②対話の始まりは挨拶から ③よりよい関係づくりはあなたにも責任が ④自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報 ⑤これからの見通しを聞きましょう ⑥その後の変化も伝える努力を ⑦大事なことはメモをとって確認 ⑧納得できないときは何度でも質問を ⑨医療にも不確実なことや限界がある ⑩治療方針を決めるのはあなたです。 以上、より安全な医療の実現を目指して地域の皆様にお願いします。 改訂された影響レベルについて表に示します。今後は表の3b,4a,4b,5について公表します。 また、写真は今年からはじめた医療安全対策ポスター掲示風景と、医療安全週間に募集し入選した標語です。『医療安全への終わりなき挑戦』をテーマに今後も活動いたします。   副院長(兼医療安全管理対策室長)鎌塚栄一郎●最優秀賞● ★医療を心で伝え心へつなぐ  人工透析室 庄 司 麻 美●優秀賞● ★最終確認“声だし”“指差し”“患者よし!!”  西4階病棟 安孫子 あかり ★聞こう 話そう 分かりあおう       みんなで作る 医療安全  薬剤部   大 類 あかね●団体賞●       薬 剤 部       栄養指導科       手 術 室       西5階病棟医療安全標語入賞作品影響レベル(報告時点)傷害の継続性傷害の程度レベル0レベル1レベル2レベル3aレベル3bレベル4aレベル4bレベル5-なし一過性一過性一過性永続的永続的死亡--軽度中等度高度軽度  ~中等度軽度  ~中等度-永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害や美容上の問題を伴う死亡(原疾患の自然経過によるものを除く)内    容患者への実害はなかった(何らかの影響を与えた可能性否定できない)処置や治療は行わなかった(患者観察の強化、バイタルサインの軽度変化、安全確認のための検査などの必要性は生じた)簡単な処置や治療を要した(消毒、湿布、皮膚の縫合、鎮痛剤の投与など)濃厚な処置や治療を要した(バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院日数の延長、外来患者の入院、骨折など)永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わないエラーや医薬品・医療用具の不具合が見られたが、患者には実施されなかった。この中には、不可抗力によるもの、過失によるもの、予期せぬ事態などが含まれる。北村山公立病院 医療安全管理対策室 平成24年12月改定患者影響レベル医療安全への終わりなき挑戦医療安全への終わりなき挑戦医療安全への終わりなき挑戦医療安全への終わりなき挑戦医療安全への終わりなき挑戦~医療安全管理対策室~

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